「ぬれ落ち葉」の夫に辟易作家、大石静さん

おおいし・しずか 脚本家。東京都生まれ。TVドラマ「ふたりっ子」「セカンドバージン」「家売るオンナ」「大恋愛~僕を忘れる君と」「知らなくていいコト」など執筆。

「ぬれ落ち葉」の夫に辟易(へきえき)しています。休日、近くに買い物に行こうとすると、必ずついてきます。私は必要なものを買ったら、すぐ家に帰って趣味の時間に充てたいのですが、寄り道に誘います。1人では買い物もできないようです。もうすぐやってくる定年後の生活が思いやられます。どうしたら自立してもらえるでしょうか?(東京都、50代、女性)

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仕事以外、何をしたらいいかわからない最後の世代ですね、あなたの旦那様は。

今の世の中は家族を大事にし、余暇を楽しむことができる人が価値ある人間だと思われていますが、旦那様のような昔ながらの不器用な人も、私は愛おしいと思いますけどね。傍から見れば……。

でも、あなたが鬱陶(うっとう)しいのでは困ります。

とにかくあなたと一緒でなければ余暇を楽しむ勇気もないくらい、頼り切っているとしたら、言うことは聞くのではないですか? 聞くならば、教育し直したらどうでしょうか。

美術館や映画館に夫婦で行くとかは、あなたが面倒くさそうなので、それは省きましょう。

次に料理や家事の楽しみを教えるとかありますが、ただ、家事をやるだけでは、旦那様の幸せにはつながらないと思います。なぜなら、仕事に生き、仕事の評価を心の支えにしてきた人は、評価を伴わない行動にやりがいを見いだせないと思うからです。

なので、旦那様にユーチューバーになるように勧めたらどうでしょうか。

案外簡単に自分のページを作れるし、妻に習って料理や家事がだんだん上手になる様子を、YouTubeにアップするのです。中高年で、自分の料理や生活をアップして、好評を得ている人は結構いますから。

家事だけではなく、散歩したときのことなど、日常のあれこれをアップするのです。妻と自分だけの狭い世界とは違う手応えと、評価を感じることができれば、旦那様は新しい生きがいを見出して、変わるかもしれません。

やり方はお子さんや、周りの誰かに聞けばわかりますし、「YouTube開設講座」と検索するなど方法はいくらも出てきます。

最初は手がかかりますが、あなたも一緒にそれを学んで、一気に夫の自立を促しましょう!

このままでは、ぬれ落ち葉症候群は進むだけです。今まで通りの暮らしの中で、自立を漠然と願っても、何も変わらないと思うので、ユーチューバーにするくらいの大胆な方法が必要だと感じました。


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