量産機になるな キャリアの競争力を高める読書法とは第1回 あるコンサルタントのキャリア戦略

特に中心として紹介する「戦略読書」は、自らをコモディティにしないための、(個人的経験に基づく)戦略的な読書法と言えるでしょう。

「何を」「いつ」「どう」読むかの工夫によって、自身のオリジナリティを育て、維持することができます。情報収集や知識会得の時間効率が上がります。そしてそれは、この「複雑で困難に満ちた」世の中が、新しいものに見える視点や視座、視力をみなさんにきっと与えることでしょう。

みんなと同じ本を読んでいたら、同じことを言うように…

自分が読書(何をどう読むか)に大きく影響を受けている、と初めて気がついたのは、社会人2年目の頃でした。

それまで、SFにせよ新聞(中1から2紙を毎日読んでいる)にせよ『竜馬がゆく』にせよ、読んでいたのはただ「楽しいから」でした。私にとって読書とはほぼ純粋にエンターテインメントであり、テレビと変わらない存在でした。結果として「国語が超得意な理系学生」にはなっていましたが、それだけ(本好きだと読解力が上がる)のことだと思っていました。

でも違いました。

ある日職場(ボストン コンサルティング グループ=BCG)で、初めて人と意見が被りました。「○○って××だよね」と、同僚と同時に口に出してしまったのです。その内容までは(あまりに昔過ぎて)覚えていませんが、まあ、実に凡庸でありきたりな意見で、それが2重のショックでした。

「他人と同じこと」で「ツマラナイこと」しか言えない経営コンサルタントなんて、存在意義はありません。いや、それ以前に、私自身、ただただ恥ずかしく悲しく感じました。「面白い視点でものを言う」ことこそが価値(それで採用もされたらしい)だったのに、そんなツマラヌ存在になってしまったのかと。

振り返ってみて、そうなった理由は簡単でした。その前の1年半、人と同じものをずっと読み続けていたためでした。

社会人経験もなくMBAも持たない学卒若手コンサルタントが、その弱点を埋めるために必死で本を読みました。城山三郎らのサラリーマン小説を100冊、そして、ビジネス基礎本を100冊以上。雑誌も「日経ビジネス」やらのビジネス系ばかりを月何冊も。

そんな生活を1年半続けていたら、すっかりそれに染まって、人と同じ反応をする凡庸なコンサルタントができあがっていた、というわけです。人の体が食べるものからできているように、人(の精神)は読むものからできているのだ、と理解しました。

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