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カレーは週3回食べる 専門医がやっている認知症予防

『医師が認知症予防のためにやっていること。』著者に聞く

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NIKKEI STYLE

食事や運動など生活習慣に気をつけると、将来、認知症になるリスクを下げられることが分かってきた。しかし、今はまだ、実際に認知症予防を意識した生活を送っている人はそれほど多くはない。そこで、『医師が認知症予防のためにやっていること。』(日経BP)の著者である、認知症専門医の遠藤英俊さんに、どんなことを実践しているのか、続けるコツは何かを聞いた。

◇   ◇   ◇

40~50代から認知症予防はやったほうがいい?

――認知症というと年を取ってからなるもので、その予防のために今から生活を変えようといわれても、ピンとこない人のほうが多いかもしれません。

遠藤 実は、どのような食事や運動、生活習慣が認知症予防のためになるのかが分かってきたのは、最近のことなのです。WHO(世界保健機関)が「認知症予防ガイドライン」を初めて発表したのは、2019年のことでした。ですから、何をすれば予防になるのかという情報が、まだあまり広まっていないのだと思います。

――なるほど。それでは、仕事が忙しい40~50代の働き盛り世代は、どのようなことをまずやればいいのでしょうか?

遠藤中年期にまずやるべきなのは、生活習慣病対策です。高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、アルツハイマー型認知症のリスクを高めます。会社の健康診断でメタボリックシンドローム(メタボ)といわれたら、運動や食事制限に取り組んでメタボを克服しなければなりません。メタボでは、内臓脂肪型肥満をきっかけに、高血圧や糖尿病を引き起こしてしまうからです。

――アルツハイマー型認知症というと、認知症全体の7割を占めるもので、ほとんどが70代以上で発症すると思うのですが、40~50代から対策したほうがいいのですね。

遠藤 その通りです。アルツハイマー型認知症は、脳に「アミロイドβ」というたんぱく質が異常にたまり、それがやがて神経細胞の破壊につながります。アミロイドβがたまり始めてから認知症を発症するまでの時間は、個人差はありますが、20~30年かかります。つまり、70代後半でアルツハイマー型認知症になった人でも、ひょっとしたら40代後半や50代からアミロイドβがたまり始めていたかもしれないのです。

アミロイドβは長期にわたって徐々に蓄積されていくので、40代や50代から生活習慣を見直せば、将来、認知症を発症するリスクを下げられるというわけです。私も血圧が高めなので、50代の頃から血圧を下げる薬を飲んでいます。

定年後の生活の変化で認知症のリスクが上がる!?

――それでは、60代以降はどんなことが認知症予防になるでしょうか?

遠藤 60代半ばを過ぎたら、喫煙、運動不足、社会的孤立、抑うつなどがアルツハイマー型認知症のリスク因子になります。60代半ば以降というと、多くの人は定年退職後に当たりますよね。働かなくなって「毎日が日曜日」になり、家に閉じこもってぼんやりとテレビを見てばかりいて、周囲の人とコミュニケーションをとらず、運動もしないという状態になると、認知症のリスクが高まってしまうのです。

実は私も、20年3月に、65歳で定年を迎えました。定年後の生活で認知症のリスクが上がってしまわないように、事前に準備をしておいたのです。

――なんと! 定年の前後でどのように生活が変わったのでしょうか?

遠藤 定年退職したからといって、仕事をいきなりゼロにするのはよくありません。私は定年後も、いくつかの病院で非常勤で診察を行っていますし、大学などで教えたりもしています。それでも仕事量は減って、日、月、火はお休みにしています。つまり、週休3日です。

定年前は朝5時に起きて病院に行き、7時15分から仕事を開始していました。それが定年後は、朝7時に起きているので、体はずいぶん楽になりました。

――なるほど。定年になったからのんびり過ごすのではなく、仕事はある程度したほうがいいのですね。

遠藤 そうです。そして、自由な時間が増えたので、新しいことにいろいろとチャレンジしています。先日は料理教室で、イタリア料理のティラミスを作りました。スイミングスクールに行ってバタフライを習ったり、ゴルフのレッスンプロについて練習したり、といったことも挑戦したいです。

――楽しそうですね。ちなみに、料理や水泳、ゴルフは認知症の予防にもつながるのでしょうか。

遠藤 もちろんです。料理は。下ごしらえから調理、盛りつけまで、いくつかの作業を同時進行させながら進めていくので、脳の活性化に役立ちます。水泳とゴルフは、有酸素運動になります。有酸素運動とは、体にたっぷりと酸素をとりこんで行う運動のことで、脳の血行がよくなり、アルツハイマー病の予防につながると考えられています。

料理や水泳を人に教わって新しいことに挑戦したり、ゴルフ場で仲間とコミュニケーションをとることも、脳にはよい影響があるのです。また、こうやって自分が興味のあるものに取り組むのも、続けるためのコツでしょう。好きでもないことを無理やりやるのはストレスになりますから。

シンガポールの調査でカレーの予防効果が判明

――食事はどうでしょうか。認知症のリスクを下げる食品はあるのでしょうか?

遠藤 食事について私が気をつけていることは2つあります。1つは、たんぱく質をたっぷりとること。たんぱく質が不足すると筋肉量が減り、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)になると、それが原因で身体活動量が減り、認知症のリスクを高めてしまいます。もう1つは、なるべく多様な食品を食べること。多様な食品をとる人のほうが認知機能の低下リスクが減るという研究があります(Geriatr Gerontol Int. 2017 Jun;17(6):937-944.)

そして、認知症予防の効果が期待できるメニューといえば、カレーです。私も週に2~3回は食べています。カレーの何がいいのかというと、香辛料として使われているターメリックです。ターメリックには、『クルクミン』というポリフェノールの一種が含まれており、これがアルツハイマー型認知症を防ぐ働きがあるのではないかと考えられています。

――カレーが認知症予防によいという論文はありますか?

遠藤 研究室での試験管内での実験、動物実験、そして疫学調査の論文がそれぞれあります。疫学調査では、以前、「インド人は認知症患者が少ない」という話があったのですが、それは当時のインドでは平均寿命が短いせいではないか、という反論が出ました。その後、シンガポール人を対象とした調査により、よくカレーを食べる人は認知症のリスクが少ないという結果が出たのです(Am J Epidemiol 2006;164:898-906.)

――さっそく夕食のメニューはカレーにしたいと思います!

(聞き手:日経BPライフメディア局 竹内靖朗 写真:上野英和 イラスト:堀江篤史)

 遠藤英俊
 認知症専門医。聖路加国際大学臨床教授。名城大学特任教授。1982年滋賀医科大学卒業、87年名古屋大学大学院医学研究科修了。総合病院中津川市民病院内科部長、国立療養所中部病院(現・国立長寿医療研究センター)内科医長などを経て、国立長寿医療研究センター長寿医療研修センター長および老年内科部長を務め、2020年3月に退職し現職。

医師が認知症予防のためにやっていること。

著者 : 遠藤 英俊
出版 : 日経BP
価格 : 1,540円 (税込み)

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