家の中に本棚をつくる
この本の扉には著者の自宅を撮影したカラー写真が数枚載っています。家の中のいたるところに本棚があります。本の整理の方法も戦略読書では重要です。日常生活で著者がどのように本や雑誌、マンガと付き合っているかが、「第4章 知のオープン化――書斎と本棚と魔法の一冊」に詳しく書かれています。
長年の試行錯誤の末に、本棚は「奥行きの浅いものを天井まで」と決めました。造り付けの本棚も、通販で買った組み立て式本棚も、奥行きは17cmで統一です。
文庫(奥行き10cm強)やマンガももちろんですが、ビジネス書でよくある四六判(同13cm)やA5判(同15cm弱)も、これで十分収まります。B5判(同18cm強)の大型本だって、少しはみ出すだけなのです。
(第4章 知のオープン化――書斎と本棚と魔法の一冊 272~274ページ)
本棚に囲まれながら、著者はときどきこれまでに読んだ数千冊の本を眺め渡すといいます。「ああ、こんなネタもあるな」「あれとつながっているかも」と感じて本を手に取り、そして気になる点はパソコンやスマートフォンですぐに調べるのです。この環境が、発想や執筆のベースとなります。家族で本を共有できるという点もメリットです。居間、食堂、廊下などかなりの部分が本棚化されており、しかも子ども部屋や寝室以外は、基本的に「おとうさんの本」が並んでいます。
本書は増補版で、2015年12月にダイヤモンド社から刊行された『戦略読書』を文庫化にあたって大幅に加筆修正しました。前作から新たに付録のブックガイドを84冊追加してあります。本の紹介文は11冊分、1万文字以上増えました。『戦略読書』で気に入ったタイトルや内容の本が出てきたら、その時に書店やアマゾンで入手するなり、図書館で閲覧するなりしましょう。実際に本を手に取ってみる戦略読書の習慣を続けることで、あなたは「自分だけのオリジナルな読書スタイル」を着実に形作ることができると思います。
◆編集者からひとこと 日本経済新聞出版・永野裕章
このところ自宅で過ごす時間が増え、この機会に読書に励もうと決意した方も多いことと思います。ただ、今の自分はどんな本を読むべきなのか、非常に悩ましいですよね。そんな方には、『経営戦略全史』『新しい経営学』で著名な三谷宏治氏が、戦略的な本選びついて解説した本書をぜひ!
キャリアステージ別の読書戦略から、519冊のおすすめ書籍まで、”三谷流”の読書術のすべてが解説されています。特に、ポートフォリオで自分の読んだ本を管理していくというアイデアは、戦略コンサルタントならではの役立つノウハウでした。本書を通じて、これからの自分の読書戦略について考えてみてはいかがでしょうか。