「戦略立案は、外部のコンサルタントに頼ることができますが、『戦略実行の補佐』は、決して外部化できないものなのです」ともいう。そうである以上、会社勤めの人間なら、だれでも参謀へと成長する可能性を秘めているわけだ。著者自身、3年間の秘書課長の仕事が参謀としての成長へとつながり、やがてリーダーとなる第一歩になった。本書に示された思考法に沿って自分の仕事の仕方を点検してみれば、自分を生かす道が見えてくるかもしれない。

「これからは大変革が来ると説く本が売れている。その中をビジネスパーソンとして生き抜く指針になりそうと感じた」と、同店でビジネス書を担当する岡崎史子さんは話す。参謀をテーマにした本は、ボストンコンサルティンググループ日本代表の杉田浩章氏による『プロフェッショナル経営参謀』(日本経済新聞出版)もほぼ同時期に出た。こちらもポストコロナこそ参謀の出番とうたっており、読み比べてみるのもよさそうだ。

思考法の本2冊が上位に

それでは、先週のベスト5を見ておこう。

(1)女帝 小池百合子石井妙子著(文芸春秋)
(2)アフターコロナ 見えてきた7つのメガトレンド日経クロステック編(日経BP)
(3)FACTFULNESSH・ロスリングほか著(日経BP)
(4)Think rightロルフ・ドベリ著(サンマーク出版)
(5)大前研一 世界の潮流2020~21大前研一著(プレジデント社)

(三省堂書店有楽町店、2020年6月15~21日)

1位は現都知事の半生を取り上げた話題の本。本欄の記事「コロナ後の世界 技術とビジネスを手掛かりに大胆展望」で紹介したムック本が2位で続く。3位と4位は思考法の本。3位の『FACTFULNESS』は、5月下旬に訳者がテレビ番組に登場したことで再浮上し、上位入りが続いている。4位はベストセラーになった『Think clearly』『Think Smart』に続くスイスのビジネス書作家、ロルフ・ドベリ氏の思考法の本。2013年に別のタイトルで刊行した本だが、加筆修正して再編集、タイトル・装丁を先行2冊とそろえて復刊し、改めてベストセラーを狙う。5位は大前研一氏による世界経済の予測本だ。今回紹介した参謀の本は10位だった。

(水柿武志)

参謀の思考法 トップに信頼されるプロフェッショナルの条件

著者 : 荒川 詔四
出版 : ダイヤモンド社
価格 : 1,650円 (税込み)

ビジネス書などの書評を紹介