どれが本物? AIが生むリアルな「顔」のフリー素材

図1 無料の写真素材をダウンロードできる「写真AC」がベータ版として提供する「AI人物素材(ベータ版)」のトップページ(左)と、生成された人物素材の例(右)

書類やチラシを作成したり、ブログやSNSなどに投稿したりする際、内容に合ったイメージ写真を添えたくなることがある。そんなとき筆者は、無料の素材サイトから写真を調達する。しかし厄介なのが人物写真。人物写真の場合、モデルの許諾が得られている写真(モデルリリース取得済み)でなければ、肖像権の問題が生じる。

そんな心配は無用なのが、写真素材サイト「写真AC」が提供する「AI人物素材(ベータ版)」だ(図1)。人工知能(AI)が自動生成した顔写真を提供するサービスで、肖像権を主張するモデルが実在しない。そのため無料で自由に使ってよいとされ、商用利用も加工もOK。過去に生成された写真からも選べるが、一度につき50回まで新しい顔を作成できる。ときには不自然な写真もあるが、多くは十分に使えるレベルだ。

図2 性別や年代、人種、髪の色や長さ、表情などを指定して、人物写真を生成できるサイト。図はアジア系の男の子の顔写真を生成した例

AIが生成した人物写真の提供サイトは海外にもある。性別や人種、年代、髪の色や長さ、表情などを指定して写真を探せるのは「GENERATED PHOTOS」(図2)。ページを更新するたびに人物の顔や猫、アートなどを自動生成するサイトもある(図3)。「AIの写真なんかにだまされないぞ」と思う人は、AI写真と本物の写真を見分けられるかどうかを試してみるとよい(図4)。

図3 サイトにアクセスすると、人物写真が自動生成され、ページを更新するたびに別の人物に変わる。右下に表示されるメニューに姉妹サイトへのリンクがあり、例えば「Cats」を選ぶと猫の写真、「Art」を選ぶと抽象画をAIで生成するサイトに移動する
図4 AI人物写真を見慣れてきたら、「Which Face Is Real?」(どちらの顔が本物?)というサイトでAI写真と本物の写真を見分けるクイズに挑戦してみよう。図の例では、右側の赤ちゃんが本物の写真だった

2019年末のNHK紅白歌合戦では、「AI美空ひばり」が新曲を披露し、物議を醸した。20年2月には、手塚治虫を模したAIがキャラクターの原案などを描いた新作「ぱいどん」が発表され話題になっている。AIが挑戦するジャンルは写真、音楽、マンガ、アートなど多岐にわたり、今後さらに広がりそうだ。

(ライター 青木恵美)

[日経PC21 2020年8月号掲載記事を再構成]

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