トヨタRAV4 PHV 大容量バッテリーで圧倒的パワー

2020/7/19
計器類には専用のパワーフローメーターやバッテリー残量計を採用。インフォメーションディスプレイには平均電費やEV走行比率なども表示される

容量18.1kWhのバッテリーがかなえる環境性能

RAV4 PHVに搭載されるバッテリーは、RAV4ハイブリッドと同じニッケル水素式ではなくリチウムイオン式を採用。前後席間のフロアボードに配されるその容量は実に18.1kWh。電気自動車(BEV)の「三菱i-MiEV」が16kWhと聞けば、その大容量ぶりがわかるだろう。満充電からのEV走行可能距離はWLTCモードで95kmと、日常的な行動範囲なら余裕でまかなえるレンジに達している。

興味深いのは、これほどの容量を擁していながらCHAdeMO等の急速充電に対応させなかった点だ。開発陣はランニングコストやBEVへの配慮を理由に挙げるが、現状のBEVの普及率やユーザビリティーを考えると、プリウスPHVのようにオプションとして選択肢を用意しておいてもよかったのではとも思う。ちなみに、普通充電で空からの満充電に要する時間は、200Vで5.5時間、100Vでは27時間となる。PHEVのユーザーは約8割が戸建てに住んでいるというデータもあるが、ガレージに200Vの充電環境を設置して深夜電力で充電するというのがコスパ的にも最も優れた使い方といえるだろう。

バッテリーの電力は荷室のアクセサリーコンセントに加え、写真のビークルパワーコネクターを使えば充電用のインレットからも取り出しが可能だ

当然ながらRAV4 PHVは、駆動用バッテリーが空になってもハイブリッド車ならではの良好な燃費をマークする。RAV4ハイブリッドと比較しても、用いるバッテリーがリチウムイオン式であるぶん充放電速度はPHVのほうが有利かもしれない。が、それを帳消しにするのが同等装備比で210kgほど重くなった車重だ。試せたわけではないが、結果的にはRAV4 PHVの実燃費はハイブリッドより若干劣ることになるだろう。ただし走行中に駆動バッテリーを充電する「バッテリーチャージモード」や、駆動用バッテリーを効率的に温存する「HVモード」などのドライブモードを使えば、目的地でのバッテリーの活用幅をうんと高めることも可能だ。

ちなみにRAV4 PHVは、満充電の駆動用バッテリーから最大1500Wの電力を、バッテリーのみで約7時間、エンジン併用で約3日間供給することができる。豊田社長は先の東日本大震災時に電動車の給電能力を強化することを表明していたが、この「PHV」シリーズと燃料電池車「MIRAI(ミライ)」は、ひとつの到達点と認められる機能を備えているといえるだろう。

加速はもちろんコーナリング性能も優秀

先の「ハリアー プロトタイプ」と同様、まだナンバーが未装着ということもあり、RAV4 PHVの試乗は同じクローズドコースでの実施となったが、これがかえって、このクルマの動的特性を明快に体験させてくれることとなった。

EV走行時の電力量消費率は155Wh/km(6.45km/kWh)。ハイブリッド燃料消費率(HV走行時の燃費)は22.2km/リッターと、「RAV4ハイブリッド」(20.6~21.4km/リッター)より良好な数値が示されている。(いずれもWLTCモード計測値)

まず驚かされるのが圧倒的なパワー&トルクで、これはRAV4ハイブリッドとは明らかに一線を画している。袖ヶ浦フォレストレースウェイの直線は公称で400mと短いが、100km/hオーバーくらいからのフル加速でストレートエンドの速度は160km/h超えと、スポーツモデルとしてみても結構な加速力をみせてくれる。そこからのフルブレーキングは重量が効いてかなりシビアだが、姿勢は安定している。そもそもそういうことをするクルマではないのは百も承知だが、欧州スポーツSUVくらいのことはできてしまうところに、PHEVの新常識が感じられる。

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