自分だけのものの見方を見つける アート思考の作法人生の景色が変わる本(15) 『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』

末永幸歩著 ダイヤモンド社
末永幸歩著 ダイヤモンド社

著者は中学、高校の美術教師。だが、本書は決して美術の鑑賞法や美術史を教えるわけではない。自分だけの見方で物事を見て、自分なりの答えを出す「アート思考」について書かれたものだ。主に20世紀に生まれたさまざまなアート作品を紹介しながら、著者は私たちの思い込みを次々と覆す。

アート思考は、従来のアート作品の見方を一変させるだけではない。日ごろ、高評価の店でおいしい料理を味わった気分になったり、ネットニュースを見聞きして世界を知った気になったりしていないだろうか。日々の自分の考え方や行動に対し、そんな鋭い問いも突きつけられる。

変動の激しいこの時代、唯一の正解を見つけるのは不可能。自分の頭で考え、自分だけの答えを生み出すことが、ビジネスで結果を出す上でも、幸福を手にする上でも必要になってくる。情報や他人の評価に振り回されず、自分らしく人生を楽しむためにも、アート思考は欠かせない“作法”になりそうだ。

要点1 自分の興味をもとに探求するのがアート

アートというと、絵画や彫刻などの「作品」を指していると思いがち。だが、それはあくまでもアートの一部分だ。アート的な考え方とは、自分の内側にある興味をもとに自分のものの見方で世界を捉え、探求を続けて自分なりの答えを生み出すこと。作品はその結果でしかない。つまり、美術館に飾られているものがアートで、それ以外は非アートという枠組みは存在しない。具体的な表現活動をしなくても、日々の仕事や生活のなかで好奇心を放置せず、根気よく探求を続ければ、誰もがアーティストになれる。

要点2 アウトプット鑑賞が新たな気づきを生む

美術館に行っても、作品そのものよりタイトルや解説文に目が行き、そこに「答え」を見つけ出そうとする人は少なくない。自分自身の目やその他の感覚器官で作品とじっくり向き合うのにおすすめなのが「アウトプット鑑賞」。やり方は簡単で、作品を見て感じたこと、気づいたことを誰かと一緒なら声に出して、ひとりならノートやスマホなどにメモするだけ。この作業によって新たな発見が生まれてくる。

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要点3 アートの「答え」は変わることが前提
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