友人の子供自慢にげんなり漫才師・作家、山田ルイ53世さん

やまだるい53せい 1975年兵庫県生まれ。愛媛大学中退後に上京し、芸人の道へ。99年、ひぐち君と「髭男爵」結成。2018年には月刊誌連載の「一発屋芸人列伝」が「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞受賞。

「うちの子、かわいいでしょ?」と自分の子供をアピールして「かわいい」を強要する友人らにゲンナリします。かわいいと思えないことが多く、機嫌を取るためにウソをつき、嫌な気持ちになってしまいます。(大阪府・30代・女性)

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自分の娘たち(小学2年生と1歳)を人前に立たせ、「どう?かわいいだろ?」と迫るようなおこがましいまねをする度胸など筆者にはないので、相談者さんのご友人の心情は量りかねます。同じ場面に遭遇したら、確かにゲンナリしそうです。

ここは1つ、「食レポ」だと思って割り切るのはどうでしょう。テレビ番組の企画で、人気店の看板メニューやご当地グルメを食し「おいしー!?」と芸能人が絶叫する、あれです。いや、決して“あれ”が「心にもないウソだ」と言っているわけではありません。

ご友人のお子さんを、「かわいいー!」と持ち上げるのも、行列店の絶品ハンバーグに舌鼓を打ち「肉汁がジュワー!!」とやるのも、何かを評価する点では似たようなものだと申し上げているのです。

しがない一発屋の筆者でも、時折オファーをいただく「食レポ」。ただし、神の舌の持ち主でも、「年間、数百軒を食べ歩く美食家」でもないので、第一声に「おいしー!」と叫んだ後は、先達によって確立された“定石”通りに振る舞うことにしています。

くどいようですが、これはウソとは違う。供される品々が、美味なのは大前提。セオリーに従うのは、食通でも売れっ子でもない筆者が、オリジナリティーあふれるコメントを繰り出したところで、視聴者を白けさせてしまうだけだからです。

その基本は“逆張り”。コッテリ濃厚そうな料理は「思ったよりしつこくない!」、あっさりが売りの一品なら「見た目と違ってコクがある!」といった具合でしょうか。「甘い!」も使い勝手が良い。肉でも魚でも野菜でも「うわー、甘い!」と驚いておけば、それらしくなります。

反対に、「甘くない!」のは昨今ではスイーツのみ。まったくお菓子な、もとい、おかしな話ですが、クリームたっぷりであろうとも「甘さ控えめー!」と言う方が、ウケが良いようです。

ご友人との関係もしかり。「かわいいねー!」は人付き合いの定石。「こんにちはー」と何も変わりません。かたくなになる必要はないのです。「そうは思えない」のならなおさら……“逆張り”をお勧めします。

今回から回答者に山田ルイ53世さんが加わります。

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