生涯年収を決める20代の仕事 資格より役立つものは『20代で人生の年収は9割決まる。』

シンデレラの戦略に学ぶ

若いうちには、素直さがとても重要です。ただし高い目標を目指すなら、それだけでは不十分です。著者は、成功を目指す若者に「戦略を持て」と激励します。純粋な若い女性というイメージがあるシンデレラの物語を例えに出して「戦略」について語った部分を、最後にご紹介しましょう。シンデレラがお城のパーティーに行ってみたいと思ったのは、純粋だったからではなく、賢かったからです。つまり「今のまま地道に掃除や洗濯をしていても幸せになれない」と知っていたから、お城に出かけたのだと著者は見ます。

シンデレラが本当に純粋な女の子だったら、
ガラスの靴を片方、落としていったりはしない。
そもそも論として、片方が裸足なのに「ま、いいか」と歩いていたら、純粋じゃなくて、むちゃくちゃアバウトな女の子である。
純粋じゃなくて賢い女の子だから、シンデレラは知っていたのだ。
ガラスの靴は王子の関心を引っ張る、よい小道具だと。
足が小さくて華奢であるという、
自分の個性をアピールできると。
(第4章 二〇代後半~三〇代:自分のナンバーワンをつくる 149ページ)

「純粋さよりも、純粋さを演出できる戦略が勝つ」という著者のメッセージを、あなたはどう受け止めますか。

本書は2010年12月に大和書房から発行した『20代で人生の年収は9割決まる』を文庫化にあたって大幅に加筆修正、再構成、改題したものです。

◆編集者からひとこと 日本経済新聞出版・酒井圭子

本書の文庫化にあたって、著者の土井英司さんと共に、20代のビジネスパーソンたちにお話をうかがいました。業界業種は違えど、皆さん口を揃えて語っていたのは「“40歳で課長”という感覚はない。その前に転職していると思うから」「お金を稼げるに越したことはないけれど、それ以上に大事なのはワークライフバランス」「身近に尊敬できる先輩や上司がいない」ということ。土井さんは、うなずいたり、笑ったり、キビシい突っ込みを入れたり、具体的なアドバイスをしたり。そこでの問答が、そのまま書籍になりそうな密度濃い時間でした。

「自分という資産をつくる」という本質は不変ですが、そうした「今のリアル」を反映し、新たな一冊となった本書。若手ビジネスパーソンはもちろん、後輩や部下との関係をより深めたいと思うリーダー、部課長にもおすすめです。

一日に数百冊が世に出るとされる新刊書籍の中で、本当に「読む価値がある本」は何か。「若手リーダーに贈る教科書」では、書籍づくりの第一線に立つ出版社の編集者が20~30代のリーダーに今読んでほしい自社刊行本の「イチオシ」を紹介します。掲載は原則、隔週土曜日です。

20代で人生の年収は9割決まる。 (日経ビジネス人文庫)

著者 : 土井 英司
出版 : 日本経済新聞出版
価格 : 880円 (税込み)

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