解除後も全社員が在宅勤務 光熱費も支給するドワンゴ夏野剛ドワンゴ社長(上)

動画投稿サイト「ニコニコ動画」を運営するドワンゴは5月29日、全社員約1000人を原則、在宅勤務にすると正式発表した。7月から本格導入するという。緊急事態宣言が解除される直前の5月21日、夏野剛社長とオンラインで対談をした。

社員に自宅の光熱費を支給

白河桃子さん(以下敬称略) 新型コロナウイルスという危機は、日本の働き方のパラダイムシフトを起こしました。夏野さんが社長を務めるドワンゴでは、早くから在宅勤務を推奨でなく原則と決めていましたね。

夏野剛さん(以下敬称略) はい。全社的に在宅勤務を原則に切り替えたのは2月17日の月曜日。最初は5営業日の試行でしたが、感染拡大が続く状況を鑑みて延長を重ね、5月末までの継続を決めています。

白河 夏野さんも在宅勤務を?

1988年(昭63年)早大政経卒、東京ガス入社。95年ペンシルベニア大学大学院卒。97年NTTドコモ入社。08年ドワンゴ取締役。19年に社長就任。東京都出身。現在は慶応義塾大学特別招聘(しょうへい)教授のほか、多数の企業で取締役を兼任。政府委員なども務める

夏野 はい。どうしても出社しなければいけない用事があれば出社しますが、それも週に1回程度。今日はたまたま出社していますが、ほら、ご覧のとおり(注:カメラ越しに見せていただいたオフィスは真っ暗)。他には誰も来ていません。99%の社員が毎日在宅勤務をしていて、出社の必要があるときには社長の僕へ報告が必要というルールにしています。

そんな働き方をもうかれこれ3カ月続けた結果、社内からもいろいろな反応が出てきました。どういう要望や意見が出てくるのか知りたかったので、マネジャークラスから日報をあげてもらって、「困ったことがあれば、全部書いてほしい」とお願いしていたんです。

白河 この3カ月の検証ができるんですね。どんなリクエストが出てきたんですか?

夏野 例えば、2週間たったくらいで目立ってきたのが「自宅の光熱費が気になる」という意見です。確かに、ずっと家で働いているのですから、電気代はかさむはずですよね。さすがエンジニアが多い当社らしいなと思ったのは、自分でメーター表を見て電気料金表と照合し、「こういう通信機材を使った場合、1カ月あたり追加される電気代はおよそ○円になります」と計算してくれた社員がいたんですよ(笑)。すると、だいたい平日の昼間の料金換算で、5日間で450~500円くらいだということが判明しまして。1人当たり週に551円、手当として支給することにしました。大した額ではないんですが、「心配しなくていいから助かる」と喜んでもらえています。

白河 週に551円ですと月に2204円。全社員となると、それなりのコストになるのでは。社員の皆さんは今、何人いらっしゃるんですか。

夏野 本社勤務だけで約1000人です。加えて、お子さんがいる社員には、「休校中の子どもが家庭で過ごす分の電気代もかかるでしょう」という考えから、さらに551円。いずれも2月まで遡って支給しています。

白河 素晴らしい。在宅しなさいだけでなく、経済的な負担についても支援しているのですね。ちなみに、やむなく出社しなければいけない社員の方には何か特別な配慮をされましたか?

夏野 実際、4月にどうしても開催する必要のあったオンラインイベントがあり、その期間に出社が増えた社員もいました。特別手当として1人10万円ずつ出しています。

夏野剛さん(左)と白河桃子さん(右)の対談はオンラインで実施した
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