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新書コーナーの平台に展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

新書コーナーの平台に展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している紀伊国屋書店大手町ビル店だ。大型連休明けの営業再開から1カ月がたとうとしているが、客足の戻りは鈍い。周辺の企業はまだ在宅勤務シフトが続いており、客数は通常の半分という印象だそうだ。一方、新刊は新型コロナウイルスや感染症関連、その経済への影響を考察する本などが続々出てきて、にわかににぎわいをみせている。そんな中、書店員が注目するのは、業界の勢力図を一変させるようなイノベーション企業をカタログ的に紹介した新書だった。

起業トレンドやその行方も考察

その本は斉藤徹『業界破壊企業』(光文社新書)。著者の斉藤氏は、シリアルアントレプレナー(連続起業家)としてIT(情報技術)業界で約30年を過ごし、現在はコンサルティング会社を経営する一方、この春にはビジネス・ブレークスルー大学の専任教授にも就任、経営学の先生としても活動する起業家だ。その著者が革新的な事業を展開している米国の企業22社を選び出し、創業者の思いやビジネスの着眼点、成長ストーリーなどを紹介したのが本書だ。

カタログ的な紹介といいながら、イノベーションとは何か、そこから業界破壊企業はどのように分類できるかを考察するところから本書は始まる。そのあと分類に即しながら数々のイノベーション企業を見ていく。企業紹介に続く章では最近の起業トレンド、さらにこれから先、新型コロナウイルスの感染拡大もあって変わり始めた世界の投資環境の中で起業トレンドがどう変化していくかにも言及される。カタログ的紹介からヒントを得るもよし、後半の状況分析からこれからの進むべき道を考えるもよし、新規事業に関わるビジネスパーソンにとっては、示唆に富む事例や考察が詰まっている本といえそうだ。

登場する企業は米ニュース専門放送局、CNBCが毎年選出している「ディスラプター50」というイノベーション企業の50社リストから選ばれている。トラック輸送のマッチングサービスを展開するコンボイや、農業支援のテック企業、インディゴ・アグリカルチャーなど、米市場でそれなりに地歩を固めつつあるイノベーティブな企業が出てくる。日本で知られている企業はあまりなく、各社のビジネスから日本市場と米国市場の違い、日本市場で展開する場合の課題などを考えるヒントにもなる。これをもとに自身のビジネスプランを考えるといった読み方も可能だろう。

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