マンガ値上がり、中古車は… コロナで変わった中古品

新型コロナによる緊急事態宣言は全国的に解除になりましたが、長期間の自粛は私たちの消費行動や生活様式に生活に大きな影響を与えました。今回はさまざまな中古品の価格に与えた影響を探りました。

輸出が止まった中古車

値下がりが激しいのが中古車です。ベースの値段を決めるのは業者間のオークション。ここに出品される中古車のうち4割が輸出用、6割が国内用です。4月の業者向け中古車オークションの成約率は45.9%でした。平均落札価格は20万3000円とこちらも下がっています。4割を占める輸出が停滞している影響が大きいです。主力のアフリカや東南アジア向けの輸出がコロナウイルス感染拡大を防ぐための国境閉鎖や入港制限で止まっています。日本の国内向けも外出自粛で商談を進めにくい状況です。

もともと、昨年秋の消費増税で販売が落ち込んでいたのに加え、コロナで来店客が減りました。店頭価格も前年同月に比べ1割以上下がっています。税制面の不利もあって特に排気量が3000CCを超す大型車が不人気。グレードに2500CCと3500CCがある車種で2500CCの方が高いケースもあります。中古車を購入しようとする人にとっては今が「買い時」です。

今後はどうでしょうか。輸出はその国の新型コロナの感染状況に大きく左右されそうです。国内もトヨタ自動車が新車のサブスクを始め、取り扱い車種を増やしています。手ごろな値段で新車に乗れるため、中古車販売は厳しい状況が続きそうですが、新しい動きも出てきました。オンライン化の動きです。

中古車検索サイト「グーネット」を運営するプロトコーポレーションはオンラインでの商談を希望する顧客と中古車販売店を仲介するサービスを始めました。これまで客はサイトの画像を見て、直接お店にメールを出すという形での商談でした。新しいサービスでは、客はサイトを経由して、車の映像を見ながら商談を進めることができます。アクセス数も順調に伸びているとのことです。

巣ごもり消費関連は値上がり

巣ごもり消費に関連するものは値上がりしています。ひとつがマンガ市場です。ネットオークション情報サイトを運営しているオークファンが調べによると、平均落札価格の上昇が目立っているのはコミック全巻での取引です。中古ですから、普通は安いのがウリですが、人気があり高くても買われています。

急上昇しているのが、「AKIRA」という作品です。1982年から週刊ヤングマガジンで連載されていた作品にもかかわらず、AKIRAの作中で2020年の東京五輪や病気の流行を連想させる描写があり、SNSで話題になりました。それが人気に再び火をつけたようです。

今はマンガのサブスクリプションで読んでいる人も多いです。現在では、マンガを読む際に、電子媒体を使用する人は52.6%と書籍で読む人よりも多いんです。

AKIRAはサブスクでは読めないですし、ネットで電子書籍としても買えません。そのため、中古本の人気が高まったようです。

ゲーム機は旧機種も人気

同じように巣ごもり消費で上昇しているのが、「ゲーム」です。「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」は新品が品薄状態になったこともあり、新品と中古品の価格逆転が一定期間続きました。

価格変化は最新機種に限らず、旧機種にも及びました。2006年に発売された任天堂の「Wii」の価格が上昇しています。「Wii」の後継機である「WiiU」も同様に値上がりしています。同じ古い機種でも、ソニーのプレイステーションより任天堂の「Wii」や「WiiU」の方が値上がりしています。「Wii」シリーズは体を動かすゲームソフトが多く、自粛生活の中で好まれているのではないかといわれています。

(BSテレ東日経モーニングプラスFTコメンテーター 村野孝直)

値段の方程式
BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラスFT」(月曜から金曜の午前7時5分から)内の特集「値段の方程式」のコーナーで取り上げたテーマに加筆しました。
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