「選択肢からはずす」「応募しない」も重要な判断

「判断力」とは、自分という商品と、相手側のニーズとのマッチング度合いを見極めることです。自分が成果を出せる、貢献できるニーズのあるところに売り込むことが必要です。逆にいえば、ニーズのない求人案件を「捨てる」「切る」ことこそ、非常に重要です。

せっかくの貴重な時間を費やしての転職活動で、無駄足を運ばないことは自分にとっても、相手先企業やエージェントに対しても大事(礼儀)でしょう。判断基準を持つ=自分という商品を正しく理解する、ことでもあります。

まず、ぜひこの観点で、応募先企業とポジション要件をしっかりと「観察」し、そのニーズと自身の転職理由や次の場での貢献可能性とのマッチ度合いを「判断」してみてください。この時期ですので、あえて強調しておきますが、「応募する」こと以上に、観察・判断を通じて、「応募しない」「(途中で違うなと感じたら)取り下げる、辞退する」ことが、結果として望ましい転職への近道です。

覚えて損はない「質問説得話法」

次に、「説得力」です。転職活動とは、自分という商品を望ましい企業に「購入(=雇用)」してもらう営業行為です。そこにおいて、どのようなことが、あなたの説得力を高めるのでしょう?

「質問説得話法」というのを聞いたことがあるでしょうか。「SPIN話法」と言われるもので、「Situation Questions(状況質問)」「Problem Questions(問題質問)」「Implication Questions(示唆質問)」「Need-payoff Questions(解決質問)」の頭文字から取られたネーミングです。

「御社の人事部門で責任者をお求めとのことですが、現在、人事部門はどのような体制になっていらっしゃいますか?」(状況質問)

「なるほど、どのようなことが課題となっていらっしゃるのでしょう?」(問題質問)

「そうなのですね、今後の事業拡大・組織体制に合わせた人事制度が必要とのことで、同じような局面を乗り越えた人事制度刷新の成功例などがあるとよさそうですね?」(示唆質問)

「私は現職で、御社と同様に数十名から数百名へと組織規模が急拡大する過程での人事制度改定や組織活性化策を導入・実施し、現在の当社の状況に達することに貢献してまいりました。このような経験やノウハウは、御社のここからにお役に立ちそうでしょうか?」(解決質問)

どうでしょう。この転職応募者は、一連の会話の過程で一切の「売り込み」「営業トーク」をしていません。行なっているのは、会話の流れに沿った「質問」だけです。まさにこれが望ましい転職活動における応募者側の話し方、説得の方法なのです。

「説得力」とは、決して「営業トーク」でも話術でもありません。スティーブン・R・コヴィーの著書「7つの習慣」に「理解してから理解される」(第5の習慣)がありますが、人というものは、自分のことをしっかり聞いてくれる人、理解してくれる人を信用します。もちろん、話を詰めるロジックは大事ですので、SPINでいうところの解決質問についてはクロージングテクニックとしての素材と組み立てが必要です。

相手が気持ちよく説得される会話法として、この「SPIN話法」は覚えておいて損はありません。

今、転職を検討しているあなたへ / 日経転職版

同世代の年収っていくらぐらい?

日経転職版でチェック

>> 年収チェックはこちらから

次のページ
使いこなしたい「逆算思考」と「作業興奮」