客数・単価…課題は小分けで解明 モレやダブリに注意
第6回 分析思考
相手を困惑させるアバウトな質問
とても勉強熱心な若手の社員がいました「今のうちにビジネスパーソンとしての思考力を身につけたい」というので、かろうじてやっている社外のセミナーに行かせました。
今日はその研修の日です。若手社員が、無事に研修が終え、やや興奮気味で職場に戻ってきました。忙しいなか、まる一日仕事を抜けて研修に送り出したのですから、上司としては様子が気になります。おそらく、どこの職場でも同じ質問をすると思います。何だか分かりますか。
おそらく「研修、どうだった?」ではないでしょうか。
さて、こう質問された若手はどう答えると思いますか。多分、返答に困って「めっちゃ、よかったっすよ」と答えるので精いっぱい。「そうか、それはよかったな」「はあ、ありがとうございます」といった、どうでもよい会話が職場に響き渡るのではないでしょうか。
互いの関係性を高めるだけなら、こんな意味のない会話でもよいのかもしれません。そうではなく、本当に研修について知りたいのであれば、もっとマシな聞き方があると思います。
たとえば、セミナーはカリキュラム(内容)と講師で成り立っています。「カリキュラムはどうだった?」なら「期待した通りでした」と多少答えやすくなります。
あるいは、カリキュラムは題材(テーマ)とプロセス(進め方)に分解できます。「セミナーの進め方はどうだった?」とすれば、「とてもスムーズでした」とさらに答えやすくなります。
要するに、物事は小分けにしたほうが考えやすくなる。それが、今回取り上げる「分析思考」の大きなメリットです。
分ければ分かる、分けないから分からない
分析とは、「物事を分解して要素を明らかにする」ことです。分という字は刀で二つに、析という字は木をおので割くさまを表しているそうです。
「分ける」と「分かる」ようなります。だから、「分ける」と「分かる」は同じ漢字を使います。