BMW新型「X6」 規格外の巨体でも加速は軽々

2020/6/7
クロスオーバーSUVの先駆けとされ、フルモデルチェンジした「BMW X6」(写真:花村英典、以下同)
クロスオーバーSUVの先駆けとされ、フルモデルチェンジした「BMW X6」(写真:花村英典、以下同)
webCG

SUVに流麗なクーペスタイルを組み合わせたクロスオーバーSUVの先駆け「BMW X6」がフルモデルチェンジ。最高出力265PSの3リッター直6ディーゼルターボを搭載する「xDrive35d Mスポーツ」に試乗し、多くのフォロワーを生み出した人気の秘密を探った。

巨大なボディーに巨大なグリル

このブランドの持ち前ともいえる独立心の旺盛さゆえか、世の中では広くSUVというカテゴリーで認知されるモデルを、あえてSAV(Sports Activity Vehicle)もしくはSAC(Sports Activity Coupe)と言い換えているBMW。車名がXで始まるそうしたモデルのラインナップは、今やその後に続く車格感を表すひと桁の数字が、1~7まで勢ぞろいするという水も漏らさぬ態勢だ。

さらにこの先、それらの頂点に立つ「X8」なるニューモデルの追加設定も確実視されているというのだから、2000年の初代「X5」登場に始まったXシリーズが、BMWにとって今やどれほど重要な存在であるかは「推して知るべし」という状況。そうした中にあって今回紹介するのは、2018年に4代目へとモデルチェンジを行った現行X5とランニングコンポーネンツを共にする、第3世代のX6である。

2008年に誕生した初代、そして2014年に刷新された2代目というこれまでのモデルと同様、前出SACの一員としてラインナップされる2019年デビューの3代目X6も、「典型的なSUVならではの高い地上高や大径シューズの採用を筆頭とした逞(たくま)しい造形のロワボディーに、クーペ流儀の流麗なルーフラインを組み合わせる」というデザイン処理が特徴だ。加えれば、すでに“巨大”という表現がふさわしかった従来型をもしのぐボディーサイズは、ついに全幅が2mをオーバー。少なくとも日本では“規格外”ともいうべき大きさへと至ることになった。

最新の「BMW X6」は、2019年12月23日に日本導入が発表された。初代が2008年、2代目が2014年に登場し、今回のモデルが3代目となる

そんな絶対的なサイズに加えこのところ登場するBMWのニューモデルがおしなべてそうであるように、キドニーグリルがますます大型化されたこともあって、その押し出し感たるやまさに圧巻。さらにそんなキドニーグリルには「BMW車として初めて」とうたわれる内部照明までもが備わっている。闇の中に浮かび上がる大きなグリルは、「まるでちょっと“デコトラ”のようなノリ」と表現したら、往年のBMWファンは賛同してくれるのかはたまた否定の声を上げるのか、いったいどちらであろうか?

光ファイバー技術を用いてキドニーグリルを光で浮かび上がらせる「アイコニックグロー」をBMW車で初めて採用
「X6 xDrive35d Mスポーツ」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4945×2005×1695mm、ホイールベースは「X5」と同じ2975mm

実用性よりも見た目で勝負

かくしてそんな新しいX6が、だからといって「こちらもボディーのサイズと同様」ということにはならないのが、そのキャビン空間の印象である。かくも大柄なボディーを備えながらも、明確に前席優先の思想でデザインされ、結果として後席では意外なまでのタイトさを感じるのがX6のインテリア。特にルーフラインの落ち込みと高いフロアの相乗効果によって、後席への乗降性はいいとは言えない。さらにひとたび乗り込んでもその空間では、ヒール段差の小ささもあってリラックスした姿勢が取りづらいのだ。

また、リアウィンドウはその極端な傾斜ゆえに上下寸法が限られ、ルームミラーを通しての後方視界は思いのほか狭い。X6のパッケージングデザインが、こうしたさまざまな実用性の犠牲の上に成り立っていることは明らかだ。

MONO TRENDY連載記事一覧
注目記事
次のページ
22インチタイヤも履きこなす
MONO TRENDY連載記事一覧