スズキ・イグニス 心地いい加減速の5ナンバーSUV

2020/5/31
5ナンバーサイズのコンパクトSUV「スズキ・イグニス」を試乗、実力を試した(写真:山本佳吾、以下同)
5ナンバーサイズのコンパクトSUV「スズキ・イグニス」を試乗、実力を試した(写真:山本佳吾、以下同)
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軽自動車よりちょっと大きな5ナンバーサイズのコンパクトSUVとして、2016年に登場した「スズキ・イグニス」。ニューモデルの登場で盛り上がりを見せるこの市場で、その商品力は「今なお健在」といえるのか? よりSUVテイストを強めた新グレードで確かめた。

ニッチな市場に3車種も

2019年末に「ダイハツ・ロッキー」と「トヨタ・ライズ」が登場するまで、5ナンバーSUV市場はスズキの独壇場だった。それ以前には、5ナンバーサイズにおさまるSUVはスズキしかなかったからだ。しかも、スズキはそこに「ジムニーシエラ」に「イグニス」「クロスビー」の3車種を取りそろえるのだ。

全長3.7mのイグニスは、軽自動車(以下、軽)をのぞけばシエラに次いで、日本で2番目に小さいSUVとなる。見るからにSUVらしいシエラやクロスビーとはちがって、イグニスには「SUVというより背高ハッチバック!?」との印象をもつ向きも多いだろう。しかし、イグニスの最低地上高は180mm。これは「ハーテクトA」プラットフォームを共用するクロスビーと同寸(ちなみに両車はホイールベースも共通)であり、同じくハーテクトAを使う「ソリオ」より40mm大きい。つまり、イグニスのハードウエアは、一応はちゃんとSUV(?)としてつくられている。

ところで「ハーテクト」と総称されるスズキ最新のプラットフォームには、大きく「K」「A」「B」の3種がある。Kはご想像のとおり軽用だが、開発担当氏によると、そのKも含めて、基本的にクルマの“全幅”を基準としてプラットフォームを使い分けているそうだ。

2016年2月に発売された「スズキ・イグニス」。Aセグメントに属するFFベースのクロスオーバー車としては、嚆矢(こうし)ともいえる存在だった
「イグニス」の最低地上高は180mm、アプローチアングルは19.8°、デパーチャーアングルは40.4°(4WD車は39.9°)。小柄なクルマながら、十分なロードクリアランスが確保されている。

イグニスにも使われているハーテクトAは基本的な全幅が1670mmまでの車両に対応しており、それ以上はハーテクトBが原則。よって、同じ5ナンバー幅でも、全幅1695mmの「スイフト」にはBが使われている。ちなみに、さらにワイドな「バレーノ」も当然のごとくBだ。

スズキでは最上級プラットフォームとなるハーテクトBは、最大で1800mm弱の全幅を想定しており、最終的にはCセグメント車までカバーする設計となっている。もっとも、現在の「エスクード」や「SX4 Sクロス」はハーテクト以前に開発された、いわば旧世代。ハーテクト化されるとすれば、次期型以降となる。

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