外食できないなら自分で 個性派ラーメンにハンバーグ
新型コロナウイルスへの備えで外出が減り、自宅料理が増えた。いっそ人気の外食店の味を再現してみてはいかがだろう。独自性でファンをつかんだ2つの料理に挑戦してみた。
どうせ作るなら再現度を高めたい。「みきママのおうちで作る外食ごはん―あの人気店の味をまねしちゃいました~!!」(扶桑社)を出版する料理研究家の藤原美樹さんに相談すると、「野菜たっぷりみそタンメンに激辛麻婆豆腐をのせる人気店のラーメンはどうでしょう」と答えが返ってきた。
目標は、東京都板橋区に本店がある個性派ラーメン店の味の再現だ。みきママ自身、店に何度も通って、持ち帰りができる麻婆豆腐で研究したというから本格的。よし、挑戦してみよう。
まずみそタンメンの具とスープから。豚こまと野菜はレシピのように1人前で各100グラムだから鍋いっぱいになる量。ゴマ油で2分炒めてから、調味料Aを入れてみそを溶かし1分。シャキシャキ感が残っている。
次に麻婆豆腐だ。フライパンに調味料Bを入れ、弱めの中火でみそを溶かし、煮立ったら豆腐を入れて2分。混ぜ合わせたCを回し入れればトロトロ感が出てくる。いいぞ。別の鍋で、スーパーで買った1玉70円の中華麺を表示通りの時間でゆで、熱々のうちに野菜とスープ、麻婆豆腐をかければもう完成だ。
丼に向かうと、辛み成分がスープの熱気とともに立ち上って、むせるほど。これこれ。あの鬼のようにガツンと襲いかかってくる辛さだ。小さな瓶入り一味唐辛子を1本半、1杯のラーメンにつぎ込んだのだから納得だ。
「鶏ガラだしとカツオだし、チューブのおろしニンニクとショウガなど手軽な調味料の組み合わせで、いかに本物に近づけるか試作を繰り返した。最後は家族も『またか』と言い始めるほどだった」とみきママ。中華麺は今回は細めで作ったが、みそラーメン用やつけ麺用などを用いれば、中太で店の味に近づきそう。
次なる挑戦メニューはファミリーレストランで子どもたちに人気のチーズインハンバーグ。ナイフを入れると中からチーズがとろりと流れ出す、あの1品だ。
タマネギはレンジで1分半チンして冷ます。中のチーズが工夫のしどころだ。「チーズをそのまま入れると、とろけるタイプでも硬いまま。チーズフォンデュを簡単につくる技を使います」と、みきママ。フライパンにBを入れて片栗粉が弱火でとろみが付いたらピザ用チーズを投入。とろとろに混ざり合ったら皿に広げて冷まし、丸める。
ひき肉、タマネギ、Aを練り混ぜ、茶わんに入れてくぼみをつける。中にチーズ玉を入れればOKだ。焼き方がポイント。きつね色が付いたら水250ミリリットルを入れ、沸騰したらふたをして中火で約10分。「蒸し焼きでじっくり中まで火を通す」とみきママの助言。待ち遠しいが我慢我慢。
面白いのがCのソース。ビーフシチューの素でベースをつくり、中濃ソースでコク、ケチャップで酸味を加える。強火2~3分でかなり本格的なデミグラスソースに仕上がる。そしていざ試食へ。
ソースは完全にファミレスの味。だが、ハンバーグにナイフを入れても残念ながらチーズが流れ出ない。「フォンデュづくりの時に水分を飛ばしすぎたかもしれませんね」。うーん、残念。次こそトロトロチーズを実現したい。(生活情報部次長 田中映光)
[日本経済新聞夕刊2020年5月9日付]
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