新型コロナが問う リモートワークが生み出す「価値」リモートワーク時代の働き方(上) &Co.,Ltd.代表取締役 横石崇氏

「リモートワーク」と「オフィスワーク」はどちらが良い悪いという話ではありません。密集、密閉、密接といったいわゆる「三密」がイノベーションを生むための土壌づくりになることがわかってきたなか、「非三密」の状況下でどのようにイノベーションを生み出していくのか。それを今、考える必要があり、日本だけではなく、人類の課題としても私たちの前に立ちはだかるテーマなのです。

どちらか一方に偏るのではなく、デジタルとアナログをどう融合させて働けばいいのかを考えたとき、特に大きな課題となるのが、デジタルを中心にした組織や集団の作り方です。

デジタルとアナログをどう融合させるか

出典:佐々木康裕(Takramディレクター)twitter投稿より

この図の右上の領域、つまり「デジタルと集団」の組み合わせで実現可能なことについて、これまではあまり可能性が考えられてきませんでした。どちらかと言えば、ライブ性のユニークさのようなものに注目が集まり、デジタルよりもアナログの価値が見直されていた業界もありました。次世代通信規格「5G」も整備されていない状況の中、テクノロジーの進化や社会的な理解・対応も含めて、あと10年くらいは先のことだろうと思っていた人が多かったはずです。

しかし今回の事態で、私たちは早急に組織を維持・拡張するためのデジタル化を進めなければならなくなりました。10年と思っていたことを、もしかすると半年後には実現させなければならないかもしれません。強制的に時代の早回しが起こったということでしょう。セキュリティー対策や労務管理、従業員のメンタルヘルスなど様々な背景を踏まえた上で、リモートワークとオフィスワークを使い分けながら制度設計・企業文化の再構築をしていく必要があります。

リモートワークにすべきこと

直近の1カ月ほどで、人と会わずにリモートワークが中心になった結果、わかったことがあります。それは、人と対面する「打ち合わせ」はラグジュアリー(ぜいたく品)だということです。

打ち合わせのための「移動」だけをとっても、目的地までのタイムマネジメントも必要になれば、移動経路の選択やリスクマネジメントも必要ですし、会議室の予約受付作業で難航することもあれば、光熱費も、飲み物を手配する手間暇と見えないコストがかかっていました。ほとんどの人が今まであまり深く考えてきませんでしたが、オフィスでの1時間の打ち合わせをするために、「どれだけの意思決定がなされ、どれくらいのコストが発生しているのか」を今後は意識しなければなりません。

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