逆境のいまこそ、従来の経営手法の見直しを東京都中小企業診断士協会 松枝憲司会長

東京都中小企業診断士協会 松枝憲司会長
東京都中小企業診断士協会 松枝憲司会長

新型コロナウイルスの感染拡大で、中小企業や個人事業主が苦境に立たされている。政府の緊急事態宣言の発令による移動制限や店舗の営業自粛で、資金力に乏しいサービス業を中心に運転資金が不足する恐れが高まっている。東京都中小企業診断士協会(東京・中央)の松枝憲司会長に、中小・個人事業主が直面する現状と、いま注意すべき経営のポイントについて聞いた。

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同協会は4月7日の緊急事態宣言発令の翌日付で、緊急対策についての提言をまとめ都知事に提出した。提言では(1)家賃などの固定費の補填 (2)少額資金の融資実行 (3)金融機関などでの新規取引の迅速な手続き (4)行政窓口の対応強化 (5)緊急対策の分かりやすいPR――を求めた。

(1)家賃などの固定費や(2)少額資金の融資といった問題は比較的よく指摘されるが、(3)金融機関との新規取引について松枝会長は「いろいろな金融機関と取引があるところは融資を相談しやすいが、健全経営で借り入れなどの取引のなかった事業主も少なくない。どこへ相談に行ったらいいか分からず、初めて訪れた金融機関でも、なかなか話が進まないという事例も聞きく」と明かす。

(4)窓口対応については「行政の窓口に相談などが殺到、相談の予約そのものが何週間も待たされるという事例も聞きます。十分に対応できるように体制を強化してほしい」と話した。

廃業が相次ぐ恐れも

さらに(5)対策の周知については、中央官庁が施策を打ち出したとしても、実際の申請先は自治体であったり、公社だったりすることが多い。省庁がそれぞれホームページ上に案内などを掲載するが、「実際にどこへ申請したらいいかわかりにくい。利用者の視点に立って情報を提供してほしい」と求めた。

経営相談窓口などで現場をよく知る中小企業診断士からは「このままの状態が続けば、飲食業やサービス業を中心に5月の大型連休明けを前に、資金繰りに窮して廃業が相次ぐ恐れがある」との声もあるという。

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