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共著者のMaaS Tech Japan代表取締役、日高洋祐さん 会場提供/Shibuya Open Innovation Lab: SOIL(ソイル)

共著者のMaaS Tech Japan代表取締役、日高洋祐さん 会場提供/Shibuya Open Innovation Lab: SOIL(ソイル)

モビリティー革命「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」によって、あらゆる産業に新たなビジネスチャンスを生み出せる可能性があります――。そう語るのは、『Beyond MaaS 日本から始まる新モビリティ革命―移動と都市の未来―』(日経BP)の著者の一人、MaaS Tech Japan代表取締役の日高洋佑氏。MaaSは単なる新しいモビリティーサービスの一つではなく、人々の暮らしや都市の姿をも変える大きな可能性を秘めていると言います。MaaSが、他の産業にとってどんなチャンスをもたらすのか、聞きました。

◇   ◇   ◇

MaaSは他産業と組み合わせることで大きな価値を生む

――新刊のタイトル『Beyond MaaS』には、どういう意味があるのでしょうか。

本書ではMaaSの方向性を、「Deep MaaS」と「Beyond MaaS」の2つに分類しています。一般的に、鉄道、バス、タクシー、航空など複数の交通機関をシームレスに融合させ、スマートフォン1つで予約・検索・決済まで完結できる世界がMaaSの概念ですが、その方向性の深掘りと個々のモビリティーサービスをアップデートしていく領域をDeep MaaSと呼んでいます。ただし、このDeep MaaSだけで発想が閉じてしまうのはもったいない。

というのも、MaaSはあらゆる産業が融合する可能性を秘めた、交通版デジタルプラットフォームともいえるものです。だから「MaaSはこういうものだ」という狭い定義にとらわれすぎると、本質を見失ってしまいます。そこで従来のMaaSという言葉の枠を超えて、幅広い業種の方と自由な発想で新たな価値を模索していきたい。それがBeyond MaaSという新たなキーワードに込めた思いです。

本書では、MaaSの2つの方向性(BeyondとDeep)を定義している

本書では、MaaSの2つの方向性(BeyondとDeep)を定義している

Beyond MaaSは、交通と他の産業の融合のこと。「移動する」という行為には、例えば食事をする、遊ぶ、シェアオフィスで仕事をする、ホテルに泊まるなど、「目的」となるさまざまなアクティビティーが付いてきます。だから交通と他の産業が連携するところには大きな価値が生まれると考えています。サービスやデータというのは、融合すればするほど価値が高まりやすいものですから、Beyond MaaSには大きなチャンスがあります。

―― 2019年から日本各地でMaaSの実証実験が始まっていますが、MaaSの現状についてはどう見ていますか。

今、日本のMaaS実証実験では、複数の交通機関を融合してデジタルフリーパスを提供するような試みが出てきていますね。どんなサービスが受け入れられるか試行錯誤する時期だと思いますが、むしろここから、このデジタル基盤を軸としてユーザーや都市にどんな価値を提供していくのかが大切になってくると思います。

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