レモン・越境・器不要 ヒットしそうな食品キーワード20年上半期食品ブレイク予測

日経トレンディ

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雑誌「日経トレンディ」は4月号で「食品ブレイク予測 2020年上半期」として特集をまとめた。今回は、日本アクセス春季フードコンベンション2020「バイヤーズグランプリ」(記事末参照)で注目を集めた商品を含め、新たなトレンドを5つのキーワードに分けて解説する。

キーワード1:「レモンフィーバー」

レモンサワーブーム、レモネード専門店のヒット……。最近、レモン関連飲料の人気が止まらない。「2020年はレモンの加工食品がトレンドになる可能性がある」(いなげや・鵜城洋平氏)とみる向きもある。そうしたレモンに熱狂する市場に向け、使い勝手の良いレモン関連商品の投入が多発する。

ショウガやニンニク、青ジソ、ネギ塩など香味野菜をペースト状にしたチューブ入りの調味料商品が人気を集めているが、ついにレモン果汁をペースト状にした「レモンペースト」が、ハウス食品からデビューした。

従来、レモン果汁の加工食品では「ポッカレモン」(ポッカサッポロ フード&ビバレッジ)がシェア85%を占め独壇場だが、液状の果汁は焼き肉や唐揚げに掛けると、水っぽくなったり、酸っぱくなり過ぎたりなど、不便な点もあった。ペースト状にすれば、適量を食材に載せやすく、揚げ物はサクサク状態をキープでき、不満解消につながる。

●唐揚げに直接載っけられるのが利点

「レモンペースト」(ハウス食品)

レモン果汁で一人勝ちの「ポッカレモン」にはない価値を検討。薬味用の調味料として差別化を図るため、レモン濃縮果汁をチューブ入りのペースト状にして、食材に載せやすくした。唐揚げの衣が水っぽくならず、サクサク感を味わえるのは液体果汁にはないメリット。ヨーグルトにはジャム代わりに使える。

一方、ポッカサッポロ フード&ビバレッジが発売するのが「冷凍ポッカレモン そのまま使えるカットレモン」。手摘みしたレモンを洗浄し、くし形にカットして凍らせ、防腐剤は不使用。商品名通り、そのまま使える。レモンサワーを作る際には氷代わりに使うと、適度に溶け出すレモン果汁を味わいつつ飲める。チャック付きの袋から必要な分だけ取り出して使えるため、生鮮レモンのように冷蔵庫でしぼませる心配もない。

●手摘みレモンをくし形に切って急速冷凍

「そのまま使えるカットレモン」(ポッカサッポロ フード&ビバレッジ)

南アフリカ産のレモンを手摘みの後に洗浄し、くし形にカットして急速冷凍。洗ったり、切ったりする手間がなく、解凍してそのまま使える便利なレモンだ。凍ったまま肉と一緒に炒めるなどの調理をすることも可能。

●甘さを控えて従来品の不満点を解消

「シトラスレモン糀あま酒」(イチビキ)

ブドウ糖、ビタミンB群、アミノ酸が豊富で「飲む点滴」とも呼ばれる甘酒は、市場が5年で2.4倍に拡大。特に、米こうじを使ったノンアルコールタイプが伸長。だが従来品には「甘みが強い点が不満」という声もあったため、レモン風味で甘さ控えめの商品を開発した。

キーワード2:「越境グルメ」

20年上期は、ジャンルの枠を飛び越えた「越境グルメ」も目立つ。筆頭格がロングセラーのチューブ型氷菓、パピコの新商品「パピコ パピベジ キウイ&グリーン」(江崎グリコ)だ。最大の売りは、24種類の野菜と果物が配合され、1袋に入った2本を食べると、62グラム分の野菜が取れること。氷菓なのに野菜の要素を持ち、健康に寄与するため、スムージー感覚で朝食としても食べられる。

その他、「ポテトースト コンポタ風味」「同コンソメ風味」(共にソントン)、「パパッとふりかけ コーンポタージュ」(はごろもフーズ)など、ご飯やパンなどの主食を子供が好む菓子や甘いスープの味にして食べやすくする商品も注目株だ。

●野菜の不足分を手軽に補える斬新な氷菓

「パピコ パピベジ キウイ&グリーン」(江崎グリコ)

小松菜やケールなど21種の野菜の搾汁を配合。日本人の野菜の平均摂取量は目標量に1日当たり約60グラム足らないとされ、その不足分を1袋2本を取ることで補える。氷菓なのに野菜が取れるというお得感から、女性からの支持を集めそう。

●朝食にもおやつにもなる新食パン生活

「ポテトースト コンポタ風味/コンソメ風味」(ソントン)

食パンに塗る新食材を模索し、乾燥マッシュポテトを混ぜた、コーンポタージュ味とコンソメ味のスプレッドを開発した。塗って焼くとポテトがサクサクになり、味も食感もスナック菓子風に。子供が食べやすく、朝食にもおやつにも最適だ。

●子供がつい食べたくなるコーンポタージュ味のご飯

「パパッとふりかけコーンポタージュ」(はごろもフーズ)

インスタントのコーンポタージュのもとをご飯に掛けて食べる人がいるという情報を得て、「これは子供が好きそう」と直感して開発。フリーズドライのコーンとサクサクのパン粉も配合し、食感も楽しめるようにした。甘めで、子供がつい食べたくなる味付けだ。

●肉料理にフルーツソースの新習慣

「お肉をおいしくする果実のソース」(アヲハタ)

肉料理専用のフルーツソース「ベリーミックス」と「りんご(レーズン入り)」の2種を発売。日本の食卓に、肉にフルーツソースを掛けて食べる新たな食文化を浸透させることが狙いだ。

キーワード3:「器要らず」

調理の準備や後片付けが極力省かれていることも、ヒットにつながる鍵。昭和産業の「おいしく揚がる魔法の天ぷら粉」はパッケージがそのままボウル代わりになり、水と食材を入れてもみ込むだけで衣が付く優れた設計だ。初心者でも手軽に天ぷらを作れるため、これまで天ぷら調理を億劫がっていた若い世代にも普及が見込める。

●初心者でも失敗知らず 専門店並みに揚がる

「おいしく揚がる魔法の天ぷら粉」(昭和産業)

少量の天ぷら粉60gが入ったパッケージに、裏面の赤の点線まで水を注ぎ、食材を入れて袋ごと約1分半振って、もむ。あとはフライパンで熱した少量の油で揚げるだけ。初心者でも手軽かつ簡便に衣サクサクの天ぷらが作れる。天ぷら調理のハードルを下げた。バイヤーズグランプリ 加工食品部門ランキングで5位となった。

キーワード4:「驚き疑似フード」

「おいしいだけでは物足りない」という消費者には、人気のスイーツに味を似せた「驚き疑似フード」が受ける。パンケーキ味のアイス、きな粉黒蜜味のチーズなど味の完成度が高く、SNSでネタとして拡散しそうだ。さらに話題性十分なのが、「大阪王将 冷やし餃子」(イートアンド)。流水で解凍するだけの手間要らずで完成。ひんやりと冷たい新食感ギョーザだ。暑い夏に台所で火を使う必要がなく、食欲が落ちる夏場でもあっさりして食べやすい。猛暑になればこうした“異次元の中華”も人気を呼びそうだ。

●アイスなのにパンケーキ味?

「雪見だいふく もちもちパンケーキ」(ロッテ)

バイヤーズグランプリ アイス部門ランキングで3位となった、雪見だいふくの新作はシリーズ初のパンケーキ味。焼いたパンケーキの香ばしい味を再現したアイスの中心にメープルシロップを入れた。アイスなのにパンケーキ味という意外性でクチコミを誘発し、トライアルにつなげてファンの裾野を広げる狙い。

●和風の味を再現したチーズデザート

「クラフト もちもちきなこ 6P 黒みつ仕立て」(森永乳業)

甘いチーズデザートが話題になる中、和のスイーツの味を再現したギミックの利いたチーズスイーツを新発売。クリームチーズにもち粉を加えてもちもちの新食感に仕立て、味作りにきな粉と黒蜜を配合した。チーズは糖質が少なく、間食などで気軽に食べられる。

キーワード5:「異次元中華」

●冷やしギョーザは夏の新定番に?

「大阪王将 冷やし餃子」(イートアンド)

20年夏に向けてイートアンドが新たに提案するのが冷やしギョーザだ。冷凍された商品を約5分流水で解凍するだけで、もちもちの皮で小ぶりの冷たいギョーザが出来上がり。暑い夏に火を使う必要がないのも利点。

日本アクセス 春季フードコンベンション2020
「バイヤーズグランプリ」
大手食品卸の日本アクセスが20年1月に開催した、東西会場で延べ1126社が出展する大型展示商談会「フードコンベンション」の特別企画。Mart読者会員が選ぶ「Mart新商品グランプリ」のプロ版で、エントリーした75の新商品に、スーパーやコンビニなど流通各社の食品バイヤーが投票。加工食品、チルド食品、冷凍食品、アイスの4部門で得票数が多い。

[日経トレンディ2020年4月号の記事を再構成]

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