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画像はイメージ=PIXTA

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社員がいきいきと働き、高いパフォーマンスを発揮する職場をつくるには何が必要か。産業医として多くの企業で社員の健康管理をアドバイスしてきた茗荷谷駅前医院院長で、みんなの健康管理室代表の植田尚樹医師に、具体的な事例に沿って「処方箋」を紹介してもらいます。

多くの会社で新入社員を迎える季節となりました。新人の皆さんはこれから、学生時代とは全く異なる環境で、全く異なる生活サイクルを送ることになります。配属先が意中の部署とは違うこともあるでしょうが、組織の一員としてそこに適応することが求められます。とにかく新しい生活に早く慣れることが大切です。入社してすぐは緊張感もあってか不調を訴える人は少ないようですが、しばらくすると具合が悪くなる人も現れます。

物流企業に勤める23歳男性の事例です。

4月に入社して地方支店の勤務となり、半年ほどたったころから気分が落ち込みがちになりました。倦怠(けんたい)感が強まり、仕事中に涙をこぼしたりしたことから、専門医を受診したところ軽度のうつ病と診断されました。産業医は面談のうえ、3カ月の時間外労働なし定時退社を指示しました。

回復傾向にあったのですが、年明け出張先で、ふと「もうダメかな」と思ったことをきっかけに状態が悪化。過呼吸で気を失う寸前にまで至ります。改めて面談した産業医が休職を指示、現在は専門医による治療を受けています。

きっかけは上司の一言

本人は気持ちが落ち込んだ原因を「上司の発言」と説明していました。配属当初から上司の言葉が気になっていたといいます。徐々に任される仕事も増え、指導も厳しくなり、たびたび落ち込むようになったといいます。 「『やる』と言ったことはやり遂げなくては」「知らないことがあるなら知っている先輩に聞かなければ」――。上司には早く一人前になってほしいとの思いもあったのでしょうが、本人の受け止めは異なりました。

新人のみなさんは、どんなささいなことでも、同僚や知人と相談することをためらわず、一人で問題を抱え込まないように心がけてください。

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