マックおわび会見 赤いネクタイで通した原田氏の信念ゴンチャジャパン社長 原田泳幸氏(上)

テレワークは普段分からない自分を客観視できる

――でも、誠実さを表す服装というと、比較的地味にするのが日本人の発想だと思うのですが。あえて赤いネクタイを選んだのは、アドバイザーの助言があったからですか。

「そんなのいないいない。服装は自分の考えです。PR会社は頭を下げてください、赤いネクタイはやめてくださいと言ってきました。会見場の新宿のホテルでケンカになりましたよ。僕の考えでは、気をつけるべきことは次の3つ。(1)トップが裸の王様になる(2)隠蔽しようとする(3)対応が遅い……このうち一つでもやってしまうと、バッシングを受けるわけです。そうならないよう注意したうえで、淡々と会見を続けました」

「ベネッセHDの社長に就任して間もなく発覚した、顧客情報流出問題の謝罪会見ではまるで逆でした。服装は普通に地味めのものにして、絶対に派手にならないように気をつけました。全員ダークスーツ、白シャツ、コンサバなネイビーのネクタイで臨みました。役員が並んで形式にならった謝罪。頭の下げ方は何度も練習しました」

――今の日本のビジネスパーソンの服装をどう見ていますか。

「まず若い世代。はやっているのかもしれませんが、丈が短くてタイトなジャケットやパンツは似合わないですし、安っぽくみえますね。グローバルに活躍する企業人が集まる場に行くと、そんな格好の若者はいません。管理職から上のクラスも日本人は簡単にいうと、やぼ。もう少し個性があっていいと思います。経済3団体の賀詞交換会に行けば、みな同じスタイル。チーフやネクタイで多少自己主張してもいいんじゃないか」

――仕事の装いで強く影響を受けたものは何かありますか。

トライアスロンのためにいったん絞った体が戻り気味。また絞ろうと決意している

「アップルにいたときに最も影響を受けましたね。IT業界には昔からハード、ソフト、いろんなベンダーによる巨大なエコシステム(協業形式)が成立しています。私がいた当時はアップルはもちろんオラクルとか、日本でも東芝、富士通、NECとか、トップの顔がめちゃくちゃ個性的でした。一人ひとりのアイデンティティーがものすごく強かった。さまざまなリーダーの個性的な振る舞いをみているうちに、自分の装いにもしっかり気を配るようになったのだと思います」

――新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークがすすんでいます。在宅だと装いに無頓着になってしまうかもしれません。

「テレワークは普段分からない自分を客観的に見ることができるので、自己検証にとてもいいんですよ。私もよくテレビ会議をしますが、画面で自分を見ると、振る舞いや表情の悪いところが本当によく分かる。4時間くらいたってから、態度の悪さにドキッとしたこともあります。服装もきちんとしていないとね。装いとは自分が発信するメッセージです。相手にどう見られたいか、どう思われるか、ということを考えないといけません」

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

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