悪カワのヒロインに若い女性が夢中 ハーレイ・クイン

日経エンタテインメント!

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日本でもスマッシュヒットとなったDCコミック映画『スーサイド・スクワット』(2016年)。ティーンをはじめ若い女性を虜にしたのが、悪のカリスマ=ジョーカーの彼女で、キュートなビジュアルで無邪気に悪事を働くヒロイン、ハーレイ・クインだった。

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』 (C)2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C)DC Comics

公開中の『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』は、そんなハーレイが主人公。ジョーカーとの別れでひどく落ち込むも、ジョーカーの庇護下にないため、恨みを持つ悪党たちに追い回されてしまう。なかでも最悪なのが、残虐なマフィアのドン、ブラックマスク。いったんは彼との取引でスリの少女カサンドラが盗んだ謎のダイヤを奪い返す約束をするも、女刑事モントーヤにマフィアの店の歌姫兼運転手のブラックキャナリー、元マフィアの娘でクロスボウ使いの暗殺者ハントレスと手を組み、夜の遊園地でブラックマスク率いる大量の敵を迎え撃つ。

今作の魅力は、まずは主人公のハーレイにある。クズだけど圧倒的に自由。そして、警察署に乗り込む際のマシンガンからしてキラキラ系でファッショナブル。“今までになかったヒーロー像”を持つ。

ハーレイを演じるのは、『スーサイド・スクワット』と同じくマーゴット・ロビー。「ハーレイの演技は何でもあり。掘り下げる余地がまだ多くあると感じていた」。そこから、「助けてくれる人が誰もいない状況でハーレイがどうなるのか」そして、自身の私生活に照らし合わせ、「女友達のグループには様々な性格の人がいるけど、その違いを乗り越えて友情を感じている。そういった経験が、物語を作り上げる原動力となった。それぞれがユニークな性格を持ち、戦闘スタイルでもお互いの長所を引き出すチーム。彼らはまるでパズルのピースのように一緒に動き戦うのよ」(ロビー)。

近年、『ワンダーウーマン』(17年)、『キャプテン・マーベル』(19年)とアメコミの女性ヒーローものが登場するなかで、前2作は高い戦闘能力を持つ女性族の王女に超人的能力を持つ部隊の隊員と“正義の味方”だったが、ハーレイは精神科医からヴィランとなった“悪カワ”女。その仲間も、社会に虐げられまくっている者ばかりだが、暗い恨み節は一切なく、機関銃に足蹴りなど、ありとあらゆる手を使って、覆面で面すら見せないマッチョだけどヘナチョコな男たちをなぎ倒していく。思わず「最高!」と叫びたくなるような、パワフルなアクションを繰り広げるのだ。

女性ヒーローものは今後、『ブラック・ウィドウ』など新作が続く。多種多様なキャラクターがアメコミの魅力だが、女性ヒーローも選べる時代に。そんな素敵な希望も持てる作品になっている。

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
 ジョーカーと破局し“覚醒”したハーレイは、謎のダイヤを盗んだ少女を守るため、ゴッサム市警で手柄を横取りされる女刑事らと“最凶”チームを組み、ブラックマスク(ユアン・マクレガー)率いる敵と対峙。
 主演のマーゴットはプロデュースも兼ね、自ら脚本のクリスティーナ・ホドソンに連絡を取り、サンダンス映画祭で発掘された期待の新星キャシー・ヤンに監督を依頼。フレッシュな女性スタッフでメジャースタジオの大作を製作したという意味でも注目に値する作品だ。
(公開中/ワーナー・ブラザース映画配給)
(C)2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C)DC Comics

(取材協力 今祥枝、日経エンタテインメント! 平島綾子)

[日経エンタテインメント! 2020年4月号の記事を再構成]