足の巻き爪は歩いて防ぐ 親指で地面を踏みしめよういつまでも歩けるための健足術(9)

日経ヘルス

2020/3/30

重症度によって治療法は異なる

巻き爪や陥入爪の治療法は、その症状によって異なる。軽症で痛みもない場合は、テーピングで自分でケアをしていくことも可能だ。「また痛みがわずかなら、市販のグッズを使って自分で爪と皮膚の間に糸を挟み、ケアすることもできます」と菊池さんは説明する。

(写真:ペディグラスは東京巻き爪補正、ワイヤー法は下北沢病院より提供)

このほかフットケアサロンなどで足指の爪に器具を装着してもらい、巻き爪矯正をする方法もある。

(写真:下北沢病院提供)

「医療機関で治療を受けるのなら、ワイヤー法という手段もあります。ワイヤー法は、爪の先端に2つの穴を開け、形状記憶合金のワイヤーを装着する『超弾性ワイヤー』と爪の根元の両端にワイヤーを引っかけ、専用のフックで巻き上げて固定する『VHO』の2種類があります」(菊池さん)

麻酔をすれば、ガター法という方法もある。「これも皮膚科や形成外科でよく行われる一般的な方法です。爪の下にやわらかいチューブを入れて、爪を浮かしてあげるのです」と菊池さんは解説する。

しかし痛みもあり、感染もあって重症の場合は、「フェノール法」や外科手術を選ばざるを得なくなる。

「感染が非常に強い場合は、『フェノール法』を受けた方が早い。局所麻酔を行い、まず食い込んだ爪を根元から除去します。そしてその爪の根元をフェノールという薬品で焼き、爪がそのあと生えてこないようにするのです。外科手術だと「児玉法」「鬼塚法」という方法などで、皮膚に食い込んでいる爪を根元から切除し、そのあと残った爪の下に皮膚が入り込むように縫合するのです」(菊池さん)

足に痛みがあったり、足から膿(うみ)が出ていたりしても毎日仕事に行かなければならないという人ほど、感染は重症化し、もう本人だけではどうすることもできない状況になってしまうことが多いという。

「仕事を休みたくない気持ちもわかりますが、治療を後回しにすればするほど、体が抱えるトラブルは大きくなってしまいます。セルフケアを行っても改善が見られないときは、早めに医療機関に相談することが大切です」と菊池さんは呼びかける。

菊池守さん
下北沢病院(東京都世田谷区)院長。大阪大学医学部卒業後、米ジョージタウン大学創傷治癒センターに留学し、ポダイアトリー(足病学)に出合う。帰国後、佐賀大学医学部附属病院形成外科診療准教授を経て、現職。近著に『100歳までスタスタ歩ける足のつくり方』(アスコム)。

(ライター:赤根千鶴子、構成:日経ヘルス 白澤淳子)

[日経ヘルス2019年12月号の記事を再構成]

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