「シブコ」ウエアも崩す楽しさから ビームス設楽社長ビームス 設楽洋社長(下)

「ファッションって刺激的で、楽しくて、ハッピー」

――ファッションに詳しくない人でも親近感を持ちやすいものであるべきだ、ということですか。

「そういうことです。このシャツの縫い方は、ボタンは……というこだわりのディテールはファッションおたくに任せて、なんとなく違うな、いいなって感じられるモノであることが大事です。モノにこだわる人がうなるような商品は確実に置いてある。でもそうではない、マスの人々にも受けるものもきちんとそろえているということです」

――職場の服装のカジュアル化が一気に進み、混乱している人も多いようですが、これからの仕事服をどう見ていますか。

「時代として、服装のカジュアル化、ソフト化は絶対進むでしょう。リモートワークなど仕事の仕方が変化していますし、お堅い商売である銀行でもノータイOK、ブルーのワイシャツOKです。芯無しのシャツジャケット、ストレッチパンツ、ポロシャツ素材のワイシャツなどがどんどん職場に入り込むでしょう。最後はきっと、IT系企業の方のように、ジャケットにTシャツもOKとなってくると思います。ただ、どんなに自由でソフトな格好をするにしても、清潔感はもちろん、会う人のことを考え、仕事がしやすくても失礼がないようにする意識がなくてはいけないですよね」

「便乗するのはよくないけれど、ウイルス感染予防のマスクを楽しめるカバーがあってもいい。アイデアは山ほどあるんです」

――今の若者は本当にファッション離れしていると思いますか。

「そう思います。昔は人より早くナイキの限定スニーカーを手に入れて、これいいでしょ、と自慢した。ミーハーを満足させるものがファッションでした。でも今の世の中にはアプリをはじめ、面白くて楽しい、自慢できるものがあふれています。スティーブ・ジョブズは同じTシャツ、同じジーンズをたくさん持ち、いつも同じ格好をしていた。ファッションのことを考えるくらいなら、ほかのことを考えていた方がいいよ、というメッセージが若者に受けたんです」

――では、どうしたら興味を持ってくれるのでしょう。

「昔、街中の女の子がハマトラの格好をしたように、上で何かおきたことがばーっと広がるという『富士山型』のブームは起きないでしょうが、今は、いろいろなところで流行が起こる『八ケ岳型』になっています。ヴィトンでする遊びの例もそうですが、ゲームでエクスタシーを感じるように、ウイットに富んだ洋服や小物を出していかないと。ファッションって刺激的で、エキサイティングで、楽しくて、ハッピーでっていうことをもっともっと教えていきたいですね」

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

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