紙おむつ復活がリーダーの原点 現場全員と徹底対話花王社長 沢田道隆氏(下)

「実は面談の前に、研究所の中をうろうろ歩き回りながら、一人ひとりの仕事ぶりを見ていました。それを手帳にメモして、面談のときに言うんです。『見ているとすごくテキパキ仕事をしている』『周りからの信頼も厚い』『自分が思っている以上にレベルが高い』と、見て感じたことを伝えました。人間は信頼されたり、褒められたりするとうれしいんです。そうやって話していくと、家族のことや人生相談など、プライベートなことも話してくれるようになりました。このときの経験が、方向性を描きながら、一人ひとりとの対話を重視するという今のスタンスにもつながっています」

――海外で勤務する社員も増えています。

「社長になってから、海外をまわって現場との小規模な会合を実施しています。発想のもとはサニタリー研究所の全員面談です。さすがに海外の社員全員と面談することはできませんが、すでに3周目をすぎ、参加するメンバーも管理職から若手に変わってきています。最初はみんな緊張していますが、フランクに話すと打ち解けてくれます」

海外の社員とも積極的に交流して議論する

「気をつけているのは、愚痴を言う場にしないことです。企業理念をベースに、どのような会社になりたいか議論する機会です。みんな建設的な意見を言ってくれます。現場の社員と直接話すことで、自分のメッセージがどれほど伝わっているかを推し量ることができます」

「会議が多いという話が働き方改革などで言われますが、本当の会議は少ないと思っています。誰かがプレゼンをして、誰も意見を言わなければ、それは会議ではなく報告会です。報告会なら文書でもテレビ会議でもできます。せっかく集まるのですから、みんなで意見を出して、何らかの結論を出す。結論がまとまらなくても、議事録として残して次回の会議のベースにする。多様な人が集まり、様々な意見をぶつけ合うことが組織の活性化につながります」

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