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「自分らしく働く」の落とし穴 就活で必要な仕事観

(6)企業選び編

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NIKKEI STYLE

元お笑い芸人で、現在は人材研修などのコンサルティングを手掛ける中北朋宏さんが講師役となって、就活生に面接の極意をフィードバックする連載「面接道場」。今回は、企業選び編。どんな企業を受けるかは多くの就活生が悩むところであり、企業選びの基準は面接でもよく問われる。どんな視点を持っておくべきか、中北氏がアドバイスした。

今回挑戦したのは、立教大学3年の横塚奈保子さん。すでにIT(情報技術)ベンチャーから内定をもらっているが、他にも気になる企業が出てきて就活を継続中だ。

横塚さんの企業選びの軸
・IT関連でこれから伸びそうなトレンドに携われる業界に関心がある
・社風として決断にスピード感があって、個人の裁量も大きい企業がいいと考えてベンチャーを中心に受けてきた
・マーケティングの強い大企業も気になっている

中北 横塚さんはどんな働き方がしたいと考えているんですか。

横塚 ありのままの自分でいられる働き方がしたいです。海外によく行くのですが、フランクなコミュニケーションが好きで、若手でも自分の考えていることを言いやすくて年齢に関係なくやれる会社の方が自分らしくいられるのかなと考えています。

中北 「自分らしく」ってどういうことですか?

横塚 私は田舎出身で都会の人に比べると活発な育ち方をしていると思うので、そういう自由な部分を潰さずに働きたいです。若手のうちは我慢することも大切なのかもしれないですが、自分が苦しんだ状態で与えた幸せよりも、自分が幸せに働きながらそれを相手に還元する方が自分の人生を生きることになるのかなと。仕事を自分が幸せになるための手段という前提で考えているので。

中北 現代的で面白いね。就活はどんな状況なんですか。

横塚 ITベンチャー2社から内定を頂いたので就活終了しようと思ったんですけど、大手企業を知らないままでいいのかと思って再開しました。内定者インターンなどでベンチャーの中に入ってみると、勉強になることはたくさんあるのですが、データやノウハウが蓄積されていなくて、自分でシステムなどを作るところから始めるんですよね。長年継続している会社なら、これってやらなくていい部分じゃないかと思うこともあって……。

ベンチャーだから成長するとは限らない

中北 大手かベンチャーで迷う学生が多いですが、私は基本的に大手を勧めているんです。もちろんベンチャーでやりたいことがあるなら別ですが、学生がベンチャーにひかれる理由が「成長できる」というのがほとんどだからです。

中北 会社によりますが、設立間もない会社だと、教育制度がなくて逆に伸びにくかったり、事業内容が転々とするから3~4個のマルチタスクに追われて1個を深掘りすることができなかったりする。成長できるベンチャーもありますが、「ベンチャーだから成長する」とは限らない、と私は思います。横塚さんはどんな成長イメージを持っていますか。

横塚 「横塚さんだから任せたい」と思われるように早くなりたい、というのが最終的なゴールです。

中北 成長欲求が高いんですね。いいと思います。ただ、気を付けておきたいのは「やりたいことをやろう」というメッセージが最近多いでしょ? これは間違いというか、何段階か話が抜けているんですよ。

米国の経営学者が提唱した人材育成の考え方で、「カッツ・モデル」という理論があります。「テクニカルスキル(業務遂行能力)」「ヒューマンスキル(対人関係能力)」「コンセプチュアルスキル(概念化能力)」の3つのスキルセットを育てていく必要があり、経営層に近くなるほどコンセプチュアルスキルが求められます。詳しい説明は省きますが、つまり最初のうちは、目の前の仕事をこなしてテクニカルスキルを磨き、葛藤の中でヒューマンスキルを高めるという2ステップが必要なんです。やりたいことをやるためには、数年は歯を食いしばってやりたくない仕事もやって、自分の能力値を上げないといけない。

大手であれベンチャーであれ、能力のない人が「ありのまま」働くことはできませんという話です。その認識を持ったうえで、大企業もベンチャーも受けて、それから悩めばいいと思いますよ。

「自分らしさ」を言語化

中北 仕事や企業から話は外れますが、横塚さんはどんなことが好きなんですか。

横塚 何でもITを使って便利にするのが好きで。決済もモバイルですし、読書もキンドル派です。

中北 モバイル決済とかは使っている人はわりといますし、何か突出したものはないですか。

横塚 趣味になっちゃうんですが、旅行で安く行ける手段を探すのは得意です。アプリでどの時期にどの国が安いかの目星をつけておいて、4カ月前から航空券の価格をチェックして海外サイトとかと比較していくと、最安値を見つけられるんですよ。

中北 すごいね。旅行が好きじゃないですか。それを仕事にすると自分らしくいられるっていうことにはならないですか。

横塚 それで言うと、出身地の秋田での経験が根っこにあります。本当は違う大学に行きたかったのですが、東京の塾に通える人と比べるとやはり情報が少なくて、不自由したという経験があったんですね。だからこそ自分と同じように困っている人の生活が便利に変わるような、新しい価値やサービスを提供できるような仕事ができたらいいなと思っています。

中北 なるほど。横塚さんを採用しない会社はあまりないと思います。すごくバランスがいい。

横塚 ありがとうございます!

中北 コミュニケーションの専門家として個人的にいいなと思ったのは、自分の発言が相手にとってネガティブに働いたなと思うと、自分の言葉でフォローしにいくんです。これは見事。全部私の顔を見て拾っている。

その上でアドバイスとしては、「自分らしさ」や「幸せな状態」をもっと言語化した方がいいと思います。こうやって対話していくとわかりますが、「秋田」「IT」「幸せ」など、原体験やキーワードが点で分散しているので、線でつなげていくと面接官もイメージしやすいですし、企業を選ぶときの判断軸にもなってくるはずです。

「あなたを採用するメリットは?」の質問の意図

横塚 面接で「自分らしく働きたい」と言うことって、ネガティブに捉えられることはないですか。

中北 企業によってはあるかもしれません。そういう古い体質の企業に入りたいかというのはご自身で考えた方がいいと思いますが。もう1つアドバイスすると、キャリアプランの考え方で、「WILL(やりたいこと)」「CAN(できること)」「MUST(するべきこと)」の3つの視点があります。

この3つのバランスで組織は動いている。企業が面接で「あなたを採用するメリットは?」「どのように貢献してもらえるのか?」と質問する意図は、このバランスを見ているんです。「自分らしく働きたい」と言っても、会社に貢献してほしいやん、給料を支払うからには。

ただ「貢献します」とばかり言っててもつまらないから、WILL、CAN、MUSTを掛け合わせながら話す。そのときに企業理念を把握しておくといいです。例えば、秋田で苦労した文脈があってそれを挽回するためにこんなことをやってきた、そして自分と同じように苦労している人のためにやりたいことがある、それは御社の企業理念と方向性が同じですって説明する。あなたの会社で働くことが自分らしく働くこととイコールだと言えるのが理想ですよね。

(文・構成 安田亜紀代)

中北朋宏
浅井企画に所属し、お笑い芸人として6年間活動。トリオを解散後、人事系コンサルティング会社に入社し、内定者育成から管理職育成まで幅広くソリューション企画提案に携わる。その後、インバウンド系事業のスタートアップにて人事責任者となり、制度設計や採用などを担当。2018年に人材研修コンサルティングなどを手掛ける株式会社 俺を設立し、社長就任。
就活

「ウケる」は最強のビジネススキルである。

著者 : 中北 朋宏
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 1,650円 (税込み)

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