銀世界を抜けた先には、荒涼とした大地 米ネバダ州

次の日は全米最大の広さを誇る「死の谷」デスバレー国立公園へ。いろいろな地形的見どころを結ぶ道路は約1600キロメートルに及び、公園の91%は手つかずの自然そのままとなっている。大自然の地形の妙には息をのむ。まずは、大小さまざまな形の砂丘が美しく続く「モスキートフラット砂丘」へ。日が照り始めたが、夜に冷えた砂丘の砂はまだひんやりしていた。

ビーティからデスバレーへ

そこから車で1時間ほど行くと、標高マイナス86メートルと北米でいちばん低い場所「バッドウオーター・ベイシン」がある。入り口付近には少し水たまりやデコボコした土があるが、奥に入っていくとどんどん干上がって、塩だけの土地が広がる。遠目にはアイスリンクのようにすら見える不思議な光景だ。ラスベガスに戻りつつ最後に立ち寄ったのが、360度景観が広がる「ザブリスキーポイント」。ひだが重なるような大地は300万~500万年前、度重なる洪水や地震で形成された。ダイナミックな絶景は見飽きることがない。

奥は見渡す限り真っ白なバッドウオーター・ベイシン
谷や岩山の上などにも歩いていける

夜ともなれば、満点の星が見えるデスバレーには、春はもちろん50度超えの気温を体験するため、猛暑の7~8月に訪れる人も多いとか。ラスベガスまでは車で約2時間半。途中には「砂漠に覆われたネバダ州で」と驚かれそうなワイナリーのあるパーランプという町がある。テイスティングやレストラン併設のワイナリーに立ち寄って、ネバダのワインの味を試すのもいいかもしれない。

ワインの並ぶ「パーランプ・バレー・ワイナリー」。レストランも人気
ネオン輝くストリップでもひときわ目立つ「パリス・ラスベガス」のエッフェル塔

ラスベガスに戻って、本物の半分の大きさのエッフェル塔がそびえ、凱旋門もあるホテル「パリス・ラスベガス」に宿泊した。エッフェル塔にはちゃんと展望台もあって、隣接のホテル、ベラージオの名物噴水ショーや、ストリップの美しい夜景が一望できる。最後の夜はラスベガスのエンターテインメント「ザ・ビートルズ・ラブ」を満喫。ビートルズの曲にのって、独特な世界観を持つシルク・ド・ソレイユが素晴らしいパフォーマンスとマルチスクリーンなどを駆使したショーを見せる。

毎日、移動のたびにまったく異なる魅力をみせたネバダは、一石三鳥の旅先だった。

ホテル「ミラージュ」で上演の「ザ・ビートルズ・ラブ」。曲と同時代の世界観を表現する(ネバダ州観光局提供)
小野アムスデン道子
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスに。東京と米国・ポートランドのデュアルライフを送りながら、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。日本旅行作家協会会員。
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