2020/3/16

アイスランドで変革を目の当たりにした私は、日本は社会の意識改革で苦しんでいると感じる。日本にはロールモデルとなる女性が少ないのかもしれない。アイスランドでは80年に初の女性大統領が誕生した。女性が大統領になれたことは、多くの女性を勇気づけた。ガラスの天井を打ち破るだけでなく、越えて上昇するロールモデルも必要かもしれない。

日本にもロールモデルはいる。一例がジャーナリストの伊藤詩織さんだ。セクシュアルハラスメントや性的暴行の被害を訴える「#Me Too」の運動で日本におけるシンボルとなった。裁判で勝ち、自身の経験を伝えている。彼女が歩んだ道のりは男性の手本にもなるはずだ。育休を取得した小泉進次郎環境相もロールモデルだ。

日本の女性たちに伝えたいのは、きれいな道のりでなくても将来を描いて努力すれば、やりたいことが実現できることだ。言うのは簡単だが、行動に移すのは難しい。他の女性と出会い、ネットワークを作るべきだ。大人数でなくても理解し合えるグループを作り、周囲と協力して立ち上がることが大切だと感じる。

ジェンダー・ギャップ指数 アイスランド、11年間1位

ジェンダー・ギャップ指数は男女の格差を表す指標で、0に近づくほど不平等を、1に近づくほど平等を表す。経済・政治・教育・健康の4分野の複数項目を評価し、国ごとにスコアを出す。

世界153カ国の中で、スコアの高さで11年連続1位の座を守っているのがアイスランドだ。特に経済や政治の分野で各国を引き離す。「議員や高官および管理職」における男女格差について世界平均が0.356だったのに対し、アイスランドは0.708だった。トータルスコアは0.877で世界(0.686)を大きく上回る。

翻って日本はジェンダー・ギャップの解消にほど遠い。順位は2018年の110位から121位に転落。スコアは世界平均を下回る0.652だった。教育、健康、経済については各国平均と同程度だが、政治参加のスコアが著しく低い。

女性首脳が誕生していないことに加え、議員や女性大臣の少なさも厳しく評価されている。結果については政府も危機感を募らせており根本的要因は「今でも根強い『男は仕事、女は家庭』という性別役割意識である」(内閣府)とみている。

[日本経済新聞朝刊2020年3月9日付記事を再構成]