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プロ経営者 松本晃の流儀

2020/3/14

プロ経営者 松本晃の流儀

仕事の醍醐味、猛烈に考えること

カルビー時代には、社員のライフワークバランス推進に努めた(2013年)

ライフワークバランスが大事というのは、もちろん口先だけなくて本当にそう思っています。だからこそ僕はカルビー時代、ライフワークバランスの推進を本気でやりました。仕事とプライベートのバランスをとった方が、絶対に仕事の効率が上がるからです。ダラダラ仕事をしたって成果なんかあがりません。それはカルビーで証明済みだと思っています。僕は徹底した結果主義者、成果主義者だから、結果を出すには何がベストか常に考える。その結論がライフワークバランスだったんです。

仕事の面白さって何でしょうかね。「ビジネスは答えのないゲームだから」というのが、僕の答えです。ビジネスに問題は付き物です。新しい問題にぶつかるたびに、解決しようとして猛烈に頭を使います。それでも答えがわからなかったら何度も現場に足を運び、また考える。答えが見つかり、意思決定をして、何か行動したとしても、それがベストだったのかは誰にもわかりません。正解はひとつじゃないし、答えにたどり着くやり方も千差万別です。世の中にこんな面白いことが、ほかにありますか。

僕は周りにも「現場をみて、頭を使い、考えて仕事をしろ」と言ってきました。考えずにがむしゃらに仕事したって、成果なんて出ません。カルビー時代、新しいオフィスをつくることになったときも「オフィスは作業場じゃない。倉庫でもない。考える場所なんだから、そうできる環境をつくってくれ」と指示したんです。その結果でき上がったのが、フリーアドレスなど先進的な機能を備えた今のオフィスでした。

僕にとって、仕事はもはや趣味みたいなものです。仕事をすればお金は入りますが、今は自分のお金にはあまり興味はありません。どこかの企業や誰かが僕のことを求めてくれる限りは、仕事を続けたいと思っています。

松本晃
 1947年京都府生まれ。京都大学大学院修了後、伊藤忠商事入社。93年にジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)日本法人に転じて社長などを歴任した。2009年にカルビーの会長兼最高経営責任者(CEO)に就任。停滞感のあった同社を成長企業に変え、経営手腕が注目されるようになった。11年には東証1部上場を果たし、同社を名実ともに同族経営会社から脱皮させた。18年に新興企業のRIZAPグループに転じ、1年間構造改革を進めたのも話題に。

(ライター 猪瀬聖)

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