意表つくデザイン「真珠=定番」の殻破る TASAKIニッポン発ラグジュアリー(3)

Tシャツやジーンズにも合うデザイン

真珠の一般的なイメージとして浮かぶのは「クラシック」や「清楚」という言葉。同社が消費者調査をしたところ20~30代では真珠を普段付けたことがなく、冠婚葬祭に結びつける人がほとんどだった。「だからこそ、日常のファッションに合わせてつけるパールジュエリーのマーケットオポチュニティーがある、と考えた」(山田芳一副社長)

食虫植物から着想した妖艶な雰囲気の「デインジャー」シリーズ( デインジャー トライブ ラージ ピアス、41万8000円)

TASAKIのイメージ一新を周知させるには、やはりファッション性が高い目玉アイテムが必要だ。斬新な商品を考えられる人物として白羽の矢を立てたのがニューヨーク在住のファッションデザイナー、タクーン・パニクガル氏だった。「真珠は身につけてこそ輝くもの。だからこそジュエリーデザイナーではなく、ファッションデザイナーを探した」と山田副社長。新しいパールジュエリーを、というTASAKIの要望をうけてパニクガル氏が示した手描きのスケッチには、真っすぐな棒の上にパールが数個並んだ「バランス」のデザイン画が描かれていた。

「えっ? とこちらがびっくりするくらいシンプル。意外なデザインだったが、確かに新しい。ぜひやってみようと、提案されたものすべてを作ってみた」(同)。パニクガル氏が生み出すパールジュエリーはモード感にあふれ、Tシャツやジーンズにも合う。現代的でクールな見た目は編集者やスタイリストから「使ってみたい」と反響を呼び、雑誌に続々と取り上げられた。

「デインジャー」シリーズのイヤーカフ。男性ファンも多い(デインジャー スコーピオン イヤーカフ、27万5000円)
真珠からとがった牙が飛び出すデザインが印象的な「デインジャー」(デインジャー シグネチャー リング、28万6000円)

「バランス」はTASAKIを代表する商品となり模倣品が急増。そこでブランドが毀損されないように、19年に立体商標を取得した。パニクガル氏はその後も食虫植物を思わせる、とがった「牙」が印象的な「デインジャー」、星の巡りに着想し、身につけると揺れ動く「キネティック」など続々とヒット商品を生み出している。

TASAKIはその後、他のブランドやデザイナーとのコラボにも力を入れてきた。男女の若者の間で人気があるマスターマインド・ジャパンとは、スカルモチーフを使ったユニセックスジュエリーを発売した。17年には新しいクリエーティブ・ディレクターにプラバル・グルン氏を起用し、性別・年代を問わず真珠ファンの拡大に取り組んでいる。

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