パソコン春モデルに搭載機ずらり 次世代CPU実力検証

日経PC21

第8世代、第10世代の最新コアi7搭載ノートを用意して、1つ前の第7世代モデルと性能を比較した。[注1]時期により選択できるCPUが変更になり、今回選んだCPUを搭載できない場合がある
第8世代、第10世代の最新コアi7搭載ノートを用意して、1つ前の第7世代モデルと性能を比較した。[注1]時期により選択できるCPUが変更になり、今回選んだCPUを搭載できない場合がある

多くのメーカーから、2020年春モデルパソコンの最新機種が登場した。これらを中心に注目点や、最新パソコンの購入ポイントを解説する。

まずは最新トピックから。注目は、パソコンの頭脳となるCPU(中央演算処理装置)だろう。新モデルが登場するたび、少しずつ強化されるCPUだが、春モデルでは大きな動きがある。これまで主流だった「コアi」が第7世代から第8世代に移行しただけでなく、第10世代を搭載するモデルも上位機を中心に増えた。

また売れ筋のノートにも勢力を伸ばしているのがAMD製のCPU「ライゼン」。インテル製CPUの供給不足が長引き、各社がライゼン搭載機を投入しているのも一因だ。こうした点を踏まえ、購入時は何世代のCPUか、またインテルかAMDかなど、基本性能にも目を配りたい。

またSSD搭載モデルでは接続方式と、転送速度に注目。低速度SSDでもHDDよりは高速だが、必ずチェックしたい点だ。

●CPUの世代で性能は違うものなの?

パソコンを買うときにまず考えるのは、投資に見合うだけの性能向上があるかどうかだろう。ここでは、その疑問を確かめるべく、インテルのノートパソコン向け主力CPUである「コアi」の「U」シリーズを搭載した最新パソコンを集め、前世代CPU搭載パソコンと性能を比較してみた(上写真)。

最新のパソコンに搭載されているコアi Uシリーズには、第8世代、第10世代の2種類があり、第10世代には、さらに製造プロセスルールが14ナノメートルの「Comet Lake」(コメットレイク)と、10ナノメートルの「Ice Lake」(アイスレイク)がある。今回は、これらを前世代の第7世代モデルと比較した。

性能比較に用いた各世代CPUの主な仕様。第8世代から主力モデルが2コアから4コアに変更され、第10世代のComet Lakeには6コアモデルもある。コアi7-1065G7は10nm製造プロセスの新アーキテクチャー採用モデルで、クロック当たりの演算処理性能が向上している

なお、第7世代と現行モデルの大きな違いはコア数が2コアから4コアへと増加していること。この点だけでも性能の大幅向上が見込まれる。なお、10ナノメートル製造プロセスのIce Lakeは新規開発されたアーキテクチャーが採用されており、インテルの発表資料ではクロック当たりの演算処理性能が向上しているとある。今回検証したIce Lakeの「コアi7-1065G7」とComet Lakeの「コアi7-10510U」では、コア数/スレッド数は同じだが、動作クロックおよびターボブースト時の最大動作クロックはComet Lakeのコアi7-10510Uのほうが高い。この2つのCPUの性能差も注目したいポイントといえる。

まずはCPU単体の演算性能を計測する「CINEBENCH R20」(シネベンチR20)の結果から見ていこう。目を引くのは、第7世代と第8世代以降の差。マルチコア性能では何と2倍以上、シングルコア性能でも大きな差がついている。この結果だけを見ても、新世代CPU搭載パソコンに買い替える意味は十分ある。なお、Ice Lakeのコアi7-1065G7は、インテルの発表資料の通り、動作クロックが一番低いながらも、一番高いスコアを出している。

CPUの演算性能がわかるベンチマークプログラム「CINEBENCH R20」(シネベンチR20 )で測定。第7世代と比べると第8世代CPUは段違いに高性能。体感的にもかなりの差といえそうだ。第10世代はさらにそれを上回る結果となった

次に実際にビジネスアプリを動作させた際の性能を測定する「PCMark 10 Applications」(PCマーク10アプリケーションズ)を実行してみた。ワードとエクセルの処理性能でも、前世代CPUと現行CPUではかなりの差が見られた。ビジネスアプリの使用が中心である人も、新世代CPU搭載パソコンに買い替える価値は十分にあるといえる。

ワードやエクセルなどのアプリを実行した際のパソコンの処理性能を測定するベンチマークプログラム「PCMark 10 Applications 」(PCマーク10アプリケーションズ)で計測。第8世代、第10世代CPUでは、ワード、エクセルの快適性も向上する

●コアiでも「U」と「H」は何が違う?

インテルのノートパソコン向けコアi CPUの主なものとしては、「U」シリーズと「H」シリーズがある。Uシリーズはモバイル性を考慮したパソコン向けだが、一般的な15型クラスのノートパソコンも多く採用する。一方、Hシリーズは多コア/高クロックで高性能なのが特徴。写真や動画の編集などを目的としたクリエーター向けノートやゲーミングノートに採用されていることが多い。

実際にUとHで発売時期の近いCPU同士を比べてみると、その性能差は歴然。据え置きで使う高性能ノートが欲しい人は、HシリーズCPU搭載モデルに要注目だ。

「CINEBENCH R20」(シネベンチR20)でCPUの演算性能を測定。第10世代のUシリーズより第9世代のHシリーズのほうが、マルチコア性能、シングルコア性能ともに上回る。写真や動画の編集など、CPUパワーを要する作業をするならHシリーズ搭載ノートに注目だ