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1階入り口のメインの平台に縦3列で陳列する(八重洲ブックセンター本店)

1階入り口のメインの平台に縦3列で陳列する(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。新型コロナウイルスの感染が散発的に広がっている影響なのか、2月は普段より来店者が少ない印象の日が続いているという。そのせいか、新刊自体はいいペースで刊行されているのに、ビジネス書全般の動きは思いのほか鈍い。そんな中、書店員が注目するのは、2度の大規模なシステム障害を乗り越えて2019年にようやく実現したみずほフィナンシャルグループ(FG)のシステム統合のプロセスを追ったノンフィクションだった。

2度の失敗から成長した軌跡

その本は日経コンピュータ・山端宏実・岡部一詩・中田敦・大和田尚孝・谷島宣之『みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史』(日経BP)。タイトルにあるとおり、みずほFGのシステム統合の苦闘の軌跡を、IT専門誌の「日経コンピュータ」が取材を通して解き明かした内容だ。名を連ねる5人の著者はいずれも同誌の記者や編集者として取材・執筆に関わったメンバーだ。

「はじめに」で同誌編集部は書く。「システム開発プロジェクトに何度も失敗し、二度の大規模システム障害を引き起こしたみずほFGが、どのようにして社内を立て直して、巨大システム開発プロジェクトを成功に導くまでに『成長』したのか。そこにあらゆる企業にとっての学びがある」。18年度の時点で日本企業の基幹系システムの22.3%が21年以上使い続けているという。「2025年の崖」と呼ばれる老朽化した基幹系システムとその更新という課題は、みずほFGだけにとどまるものではないのだ。

全体は3部構成。第1部で新しい勘定系システム「MINORI」の全容と開発プロジェクトとシステム移行の詳細、MINORI完成で可能になるみずほFGの新たなデジタル戦略を見ていく。第2部は11年に起きた2度目の大規模システム障害、第3部は02年合併直後に起きた1度目の大規模システム障害を振り返る。

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