アウトドアの機能を日常に ノースフェイスの本物志向ノースフェイスの魅力を探る(下)

「簡素なつくりの店がいかにもアウトドアっぽくていいね」と話す石津祥介さん(右)と高梨亮さん(東京都渋谷区の「ザ・ノース・フェイス スタンダード」)
「簡素なつくりの店がいかにもアウトドアっぽくていいね」と話す石津祥介さん(右)と高梨亮さん(東京都渋谷区の「ザ・ノース・フェイス スタンダード」)

ゴールドウインが日本独自に製品を企画しているザ・ノース・フェイスは、今や「かっこいいアウトドア衣料」の代名詞となり、海外からもファンを引き寄せている。服装のカジュアル化に合わせてビジネスパーソンや女性向けの商品ラインアップも拡充。ワークマンなどの参入でアウトドア分野での競合が激しくなるなかで「機能性、合理性に富む製品を、消費者の日常生活にもっと浸透させたい」とゴールドウイン ザ・ノース・フェイス事業一部長の高梨亮さんは意気込む。前回に続き、服飾評論家・石津祥介さんとともに、アウトドア衣料のこれからについて考えた。




街中で履けるカジュアルな靴にアウトドアのスペック

――2019~20年の秋冬物では、ノースフェイスのショートブーツ「ヌプシブーティー」が多くの女性誌に取り上げられました。

女性にも人気のヌプシブーティーウォータープルーフVI(ユニセックス、1万7600円)

高梨「ノースフェイスはアウター、ダウン、かばんのイメージが強いと思いますが、ここ10年は靴に力を入れており、売り上げも上向いてきました。(グレーの靴を石津さんに見せながら)こちらは『ベロシティ ニット ゴアテックス インビジブル フィット』という軽量の靴です。アッパーは伸縮性のあるニット仕様ですが、内側にゴアテックスのライナーを入れ、雨が降っても水が中に入ってこない構造です。ソールは山を走るトレイルラン用に開発された柔らかいものを採用しました。街中で履けるカジュアルな靴に、アウトドアのスペックがギュッと詰まっています」

防水仕様の「ベロシティ ニット ゴアテックス インビジブル フィット」(1万9800円)に石津さんも興味津々

「ノースフェイスは好調ではありますが、女性マーケットの開拓が一つの課題となっています。私が街中で観察していても、ウチの製品を着ている男性はよく見ますが、女性はまだまだ少ないですね。そこで最近はファッションブランドとのコラボ商品に取り組んでいます」

――女性の間でマウンテンパーカがヒットする現象も起きています。

石津「徐々に女性にもアウトドアウエアの人気が浸透してきました。僕はスニーカーブームの影響がとても大きいと思っています。女性が仕事のときでもスニーカーを履くようになると、これまで着ていた服は微妙に合わなくなる。むしろマウンテンパーカの方が相性がいい。そうなるわけです。それに最近は、アウトドアブーツを普段から履く人も増えていますよね。ノースフェイスはそこをうまくつかんで、アウトドアアイテムに都会的な感覚を取り込んだ成功例になりました。でも、最近はライバルも多いんじゃない? ワークマンとか」

高梨「スポーツやアウトドアを扱うワークマンプラスという業態がありますが、あの値段でよくこれだけのものが作っているなと思います。もっとも、我々とお客さんが重なる部分はまだ部分的でしょう。あくまで我々はノースフェイスのファンに向けて商品を開発していますので、脅威とは思っていません」

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