日本生まれ「街着」ノースフェイス 本家しのぐ人気にノースフェイスの魅力を探る(上)

70年代にVANがノースフェイスを米国から引っ張ってきた

――石津さんがノースフェイスと出合ったのも70年代ですよね。

石津「これ、見てくださいよ(と、昔のカタログを取り出す)。70年代に日本で最初にVANがノースフェイスを米国から引っ張ってきたんだよ。輸入販売元になってね。そのときのカタログです。これは社内用でして、手作りなんで切り貼りもあって笑っちゃう」

VANが作った1976~77年のノースフェイスのカタログ。ウエアのほかにはテントやシュラフも掲載されている

高梨「このカタログはすごいですね。うちの会社でも見たことがないです」

――「76~77 ザ・ノース・フェイス カタログ VANスポーツ」とありますね。ダウン、テントにシュラフ、マウンテンパーカも出ています。

石津「VANでは当時、もう少しスポーツ色を強くしたかったんです。アイビーがだんだん下火になって、ヘビーデューティーとかコンチネンタルとか色々なファッション分野ができはじめていて、ひとつの立役者となるラインを探していました。でも、その頃のスポーツブランドはクラシックなものしかなかったの。そこで最新のノースフェイスに目を付けたんです。決定打はやっぱりダウン。日本ではダウンがまだ作れない時代でしたから、要はダウンやりたさのノースフェイスでした。今考えればそのダウンもすごく重かったんですけどね」

――40年以上前の商品とはいうものの、デザインは今の商品とそう変わりはありませんね。マウンテンパーカはこの当時でも2万5000円します。

40年以上前のノースフェイスのマウンテンパーカ。2万5000円と高級品だ

高梨「カタログに掲載されているこのマウンテンパーカーはまさにこちらにある、うちのアイコン的商品の原型です。70年代のノースフェイスのマウンテンパーカは丈も長くて幅もたっぷりして、アウターウエアとしての要素が強く出ていますよね。でも今はご覧の通りサイズ感を時代に合わせてもう少しコンパクトにしています。素材は当時使われていたのと同じ、65×35クロス。ナイロンとコットンの比率が昔と同じ素材を使っています。値段は3万6300円です」

「これがアイコン的なマウンテンパーカです」。高梨さんはHYKEとのコラボコートを着用

――高梨さんがきょう着ているアウターもすてきです。HYKE(=ハイク、人気ファッションブランド)のブランドロゴが入っていますね。

高梨「2018年から4シーズンHYKEとコラボしました。アウターの上に着るミリタリーコートをベースにしています。意図的に大きく作られた、ドカンとしたシルエットを踏襲しながらも、時代にフィットさせた商品です。ファッションブランドと組むのは、多くの女性とブランドの接点を作りたいからなんです」

石津「モッズコート(軍用パーカー)だね」

高梨「はい。定番のM-51みたいな感じ。化繊綿を入れ、防水透湿素材のゴアテックスを使っています」

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