午後6時以降メール禁止 ローソン、女性が働きやすく柳田衣里ローソン人事本部人事企画部部長(下)

午後6時以降のメールは禁止に

白河 もう一つ、女性の活躍を阻む問題としては長時間労働があります。コンビニの店舗指導を担うスーパーバイザー(SV)の仕事は、24時間営業に合わせた働き方をしなければならないのか。あるいは外回りが中心で、かえって自分のペースで働きやすいのか。そのあたりはいかがでしょうか。

柳田 SVの仕事は店舗巡回が主で、週に1回、各エリアの事務所に集まって会議をするというのがルーティンです。1人が8~9店舗を受け持ちますが、巡回業務の直行直帰は自由なので、比較的自分のペースで仕事ができるのではないかと思います。休みも週休2日は取れますし、長期休暇も好きな時期を選んで取れるので、「働きづらい」という声はあまり聞こえてきません。一方で、実労働時間が把握しづらいという面もありましたので、長時間労働にならない工夫もしてきました。

白河 例えばどのような?

柳田 原則、勤務時間を過ぎた午後6時以降のメールは禁止にしています。また、以前は「ノー残業デー」を設定していましたが、最近は「残業しないのが基本」というカルチャーに変わってきました。定時になると「帰りましょう」というアナウンスが流れるんです。

白河 とはいえ、現場の店舗を担当しているSVの方々は、緊急対応のために呼ばれることもありますよね。

柳田さんも2度の産休を取得、その経験を施策に生かしている

柳田 たしかに、以前は店舗からの問い合わせはすべてSVが受け付けていたのですが、5年前から24時間対応のコールセンターを設置して、SVの負担を大幅に軽減しました。「マシンが壊れた」「こういう要望にはどう応えたらいいのか」といった細かな問い合わせは委託先のプロに担っていただくように方針を変え、それでも対応しきれない重要な案件だけがSVに行く流れができてきました。

白河 現場責任者が過重労働になりがちな他業種も参考にしたいお話ですね。前回、SVから先のキャリアに商品開発などへの職種転換もあるというご説明でしたが、そこで活躍する女性も増えてきていますか?

柳田 増えていますし、同業の中でも当社は女性の開発者の育成には積極的に取り組んでいるほうだと思います。それはお客様の変化に合わせた、マーケティング戦略の一環です。

20年ほど前ですと、コンビニにいらっしゃるお客様というのは若い男性がメインで、それに合わせた商品を揃えていました。今は女性の社会進出によって、お客様は多様化しています。お客様の女性比率はかつて3割程度だったのですが、現在は4割超。かつ、商品購買の意思決定は女性が握ることが多いので、女性に響く商品づくりをやっていかないといけない。結果として、女性の開発者の活躍の場は広がっています。

白河 以前、成人雑誌の販売をやめた背景を伺った際に、「11年の東日本大震災以来、女性客が増えた」と聞いたことがあります。

柳田 たしかにその変化はありました。かつては、シニア層の女性のお客様は「コンビニは若い人が行くもので、日用品は高いんでしょ」というイメージをお持ちだったようなのですが、震災でスーパーが休業した時期に開いていたコンビニに行ってみたら「そうでもないのね」と見直してくださった。最近は、価格を抑えたオリジナル商品も頑張っています。

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