スーツの足元に欠かせない革靴だが、休日に履くとなると途端に難易度は高くなる。スニーカーと同じ感覚でコーディネートしていいのか、そもそもどのような革靴を選ぶのが正解なのか。聞けばスニーカーブームの反動で、今年は革靴に注目が集まっているらしい。この機会に履きこなし方を知るべく、ZABOU渋谷店の大井勇人さんに話を伺った。
オフ専用の革靴があれば気分も切り替えられる
――ZABOUには初めて革靴を買いに訪れる方も多いそうですね。まずは最低限持っておくべき革靴を教えてください。
「黒のプレーントゥか、ストレートチップですね。冠婚葬祭で使えますし、私服にも合わせられますから」
――オンオフ問わず使えるものがおすすめなのですね。
「初めて買うのであれば、そうですね。最近は保守的な買い方をされる方が多いので、革靴やジャケット、バッグなど、どれもオンオフ兼用で使えるものが人気です。ただ、僕個人の意見としては、『オフ専用』もおすすめしたいです。休みの日に仕事時と同じアイテムを身につけるのはやはり気分的に抵抗があるので、切り替えたいですよね。普段から私服のように見えるショップ店員も、大抵はオンオフを分けているくらいですから」
――上級者ほどオンオフを分けているというのは説得力があります。革靴の「オンオフ兼用」と「オフ専用」は、どのように違うのでしょう?
「例えばブーツやスエードシューズ、デッキシューズあたりは職場に履いていけないですよね。そんなふうにデザインや色、革質などを基にすれば判断できるはずです。もし悩んだときは店員さんに聞いてもらえれば確実ですね」
コーディネートは「ジャストサイズ」が肝
――大井さんが革靴を使ったコーディネートで心がけていることはありますか?
「トップス、ボトムスどちらもジャストサイズを選ぶことですね」
――ここ数年はゆったりしたサイズ感がトレンドですが、正反対なのですね。
「1サイズ、2サイズアップして着るスタイルは、革靴のような品のあるアイテムとは相性が悪いんです。例えばダボダボのジーパンに丸首のスエットを着て、それにローファーを合わせたら、足元だけ明らかに浮いてしまいますよね。サイズ感や丈感を崩しすぎず、“奇麗め”にまとめるのがポイントだと思います」
――なるほど。革靴の上品さに合わせる形ですね。
「そうですね。最近は年齢層が高いお客様ほど『そろそろちゃんとした格好をしたい』と、大きいサイズからジャストサイズを選ぶようになっています。スニーカーブームが少しずつ収まってきている影響もあると感じます」
――現場でもトレンドの移り変わりを感じているんですね。
「トレンドを積極的に追う店ではないので結果的にですが、そう思います」