早期退職でいくら減る 年金の知識、クイズでチェック
令和のお金ドリル(2)年金を正しくもらう編
お金の正しい知識をクイズ形式で身につける「令和のお金ドリル」。第2回は年金の知識。
早期退職したら年金はいくら減るのか? 未納期間があった年金は後で埋めるともらえる金額は変わるのか? うつ病で会社を退職しても年金はもらえるのか?
年金の基本をしっかり押さえておこう。
【年金を正しくもらう】早期退職したらどのくらい損? ざっくり把握する方法がある
※令子さんの退職するまでの年収(額面)は一律300万円と仮定。
A.毎月約1万円少ない
B.毎月約2万円少ない
C.毎月約5万円少ない
D.毎月約7万円少ない
A.今すぐ未納額全額を納めればOK
B.50歳で未納額全額を納めればOK
C.60歳から、2年半かけて未納額を納めればOK
D.増やすことはできない
A.不動産収入が1000万円ある70歳
B.うつ病で会社を退職し、働けない状態の35歳
C.交通事故に遭い、車いす生活になった40歳
D.自然災害で自宅が全壊した60歳
【ヒント】加入が義務づけられている「公的年金」は2階建て
40年間コツコツ納めて老後資金の土台をつくる
国の公的年金制度は、20歳~60歳未満の全員の加入が義務づけられている国民年金と、これにプラスして会社員と公務員が加入する厚生年金の2つ。国民年金の納付額は一律だが、厚生年金は収入に比例。iDeCo(イデコ)や企業型確定拠出年金は、個人や企業が任意で加入する私的年金。
毎月納める額
【厚生年金】
標準報酬月額×保険料率9.15%
【国民年金(基礎年金)】
1万6410円(令和元年度)
【年金を正しくもらう 解説編】
Q1 50歳で早期退職するといくら損?【正解はB】毎月約2万円少ない
早期退職して無職になっても国民年金の支払いは60歳になるまで続くので、老後にもらえる年金のうち国民年金部分(老齢基礎年金)は、65歳まで働き続けた場合と同額。差がつくのは厚生年金部分。1年働くごとに増える老後の年金額(年間)は下記の式で簡易計算できる。15年間働く期間が短い場合の減額分は年間約24万7500円となり、1カ月当たり約2万円少ない。
Q2 未納期間があった年金は後で埋めるともらえる額は変わるのか?【正解はC】60歳から2年半かけて未納分を納めればOK
国民年金の加入期間は20~59歳の40年間だが、学生や失業者は手続きをすれば猶予や免除を受けられる。ただしその分、将来の年金額が減るので、満額受給するには猶予期間から10年以内の追納が必要。追納期間を過ぎたり、そもそも未納期間がある場合、60~64歳の5年間に任意加入し、保険料(月約1万6000円)を納めれば満額にできる。
Q3 うつ病で会社を退職したりしても年金はもらえるのか?【正解はD以外】うつ病での退職や交通事故で車いす生活になっても対象の場合も
年金には老齢年金のほかに、病気やケガで障害が残ったときに受け取れる障害年金、一家の働き手の死亡時に、遺族が受け取れる遺族年金があり、若くても万一のときは支給される。障害年金は、うつ病などの精神疾患でも、症状や日常生活能力によっては障害認定され、障害等級に応じた額が支給される。なお、老齢年金は65歳以上なら不動産収入があっても支給対象。
この人に聞きました
社会保険労務士。ブレインコンサルティングオフィス代表。行政書士。著書に『制度を知って賢く生きる 人生を左右するお金のカベ』(日本経済新聞出版社)など。
(取材・文 相良朋=日経WOMAN編集部)
[日経ウーマン 2019年10月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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