チェックシート
こんな人は「染み出し臭」が強いかも
□ 野菜、豆、海藻をあまりとらない
□ 肉が好きでよく食べる
□ 糖質制限をしている
□ 喫煙している
□ 飲酒量が多い
□ 肉体的、もしくは精神的ストレスが多い
□ 疲れがたまっている
□ お風呂はシャワーだけで済ませることが多い
□ 特に臭いケアはしていない

オリゴ糖で腸内環境を改善、アンモニア臭をブロック

皮膚から出るアンモニア臭にはストレスや疲れが影響し、さほど有効な対策はないと考えられてきた。ところが関根教授らが現在進行中の研究から、腸へのアプローチが有効である可能性が浮上してきたという。ビフィズス菌を増やすとされる牛乳由来のオリゴ糖(ラクチュロース)を継続してとることで、徐々に皮膚から放散されるアンモニアが減少したというのだ。

「この試験では、ラクチュロース摂取前後に糞便中に排出される腸内細菌の変化も調べたが、2週間のラクチュロース摂取で、ビフィズス菌を含むアクチノバクテリアという菌種が増えていた」と関根教授は説明する。

健康な男女12人を対象にした試験。食生活はそのまま変えずオリゴ糖(ラクチュロース)を1日4g、2週間継続して摂取させ、腸内細菌バランスの変化を調べた。試験を完了した11人では、摂取後はビフィズス菌をはじめとするアクチノバクテリアという菌種が増え、大腸菌、サルモネラ菌、ヘリコバクターピロリ菌など多くの病原体が属するプロテオバクテリア属が減少していた。(データ出典:室内環境学会学術大会講演要旨集, 2019,A-06, p1-2)

ビフィズス菌は大腸で酢酸を多く作り、腸内pH(ペーハー)を低下させることで、インドールやアンモニア産生菌、病原性大腸菌などの有害菌が住みにくい環境を作ることが知られている。こうした働きを持つビフィズス菌を増やすオリゴ糖をとれば、気になる体臭を抑えられるかも、というわけだ。

また、直接、ビフィズス菌や乳酸菌をとることで腸内のアンモニア産生菌が減るという研究報告もある。こうした方法も皮膚から染み出るアンモニアを減らすことにつながる可能性がありそうだ。

人から出る強いにおいには、タバコ臭や歯周病臭などがある。タバコ臭さは禁煙が最良の対処法だ。歯周病による口臭は菌が作る揮発性硫黄化合物が原因なので、歯周病治療が近道だといえる。だが、ストレスや疲労が関わるやっかいな臭いの一つ、アンモニア臭が腸活で抑えられるとしたら朗報だろう。

しかも、腸内環境を整えることは、体臭を抑えることにつながるだけでなく、肌荒れを引き起こすフェノールといった悪玉物質の生成を抑えるなど、全身の美容や健康維持にも役立つ。

関根教授が試験に使用したラクチュロースというオリゴ糖は生乳を加熱することで乳糖からできるので、市販の加熱殺菌済みの牛乳にも多少含まれる。また、オリゴ糖にこだわらなくても、食物繊維を意識してとったり、ビフィズス菌や乳酸菌を継続摂取したりすることでも腸内環境の改善が期待できる。まずは今日から腸活を心がけるようにしたい。

(ライター 堀田恵美)

関根嘉香教授
東海大学理学部化学科教授

慶応義塾大学大学院理工学研究科修了後、日立化成工業(現日立化成)を経て現職。慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科非常勤講師、神奈川県立保健福祉大学非常勤講師を兼務、一般社団法人室内環境学会理事長。博士(理学)。
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