佐々木蔵之介 ふらっと出た旅で出合った薩摩切子

「劇団の後にシェイクスピアをやったり、三島(由紀夫)をやったりしたので、台本の読み方は変わったりしたかもしれないけど、お客さんに対する向き合い方は変わってない気がしますね。笑かすとか、びっくりさすとかいう気持ちは、何も変わってない」

仕事の合間のリフレッシュとなっているのが、一人旅だ。これまで40カ国以上を旅してきた。

「旅の魅力は、不自由なところ。日本だと何とかなりますけど、国外に出れば、自分の常識が通じないんです。料理を注文したら想像していたのと全然違うものが来たり、『こんなに1人で食べられないよ』という量が出てきたりする(笑)。でも不自由だからこそ、いろんな発見がある。海外では誰も僕のことを知らないから、普通に対応してもらえるのもいいですね。仕事のことを忘れて、リセットできます。

とはいえ、休み明けには仕事があるから、台本は常に持っていきます。ホンマは持っていきたくないですけど(笑)。自宅でセリフを覚えようとするとダラダラしてしまうので、環境を変えるために旅に出ているところもありますね。

長い休暇が欲しい

この前は、ポルトガルに行ったんですよ。モザイク模様や魚が描かれていたりする石畳がキレイでしたね。陶器にも引かれるものがあって、白地に青の模様が入ったプレートを買って帰りました。普段、海外で割れ物は買わないんですけどね。

そのプレートがまた、何用なのか、使い方がわからへん(笑)。玄関で上に小物を置いてます。そんなふうに、旅の思い出に何か買うことは多いかもしれないですね。それをたまに見て、『あそこ、行ったなあ』と懐かしく思うことはあります。

冬だから、次はもっと寒いところに行こうかなぁ。流氷もいいですよね。僕、流氷は見に行ったことがあるんですよ。テレビで『北海道に流氷がやってくる』というニュースを見て、そのまま翌日、飛行機に乗って網走に(笑)。

いや~、良かったですよ! 海のそばのホテルなのに、朝起きたら波の音がしないんです。窓の外を見たら一面流氷で、氷の上に、キツネが歩いた足跡があったりして。

今、欲しいものは、長期休暇。でしょう? この流れで言うとね(笑)」

「イタリアに行ったときは、カバンを買いました。空港にそのカバンを持ってる人がいっぱいいたから、イタリアの有名なブランドなんだな、と思ったんですけど……それ、使ってないな(笑)」
佐々木蔵之介
1968年生まれ、京都府出身。90~98年まで劇団「惑星ピスタチオ」の看板俳優として活動。2000年にNHK連続テレビ小説『オードリー』で注目されて以降、ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍。05年には演劇ユニット「Team 申」を立ち上げ、プロデュース公演も行う。主な出演映画に『間宮兄弟』(06年)、『アフタースクール』(08年)、『空母いぶき』(19年)など。『超高速!参勤交代』(14年)で日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。出演ドラマに『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』(18年)、『シャーロック』(19年)などがある。

『嘘八百 京町ロワイヤル』

(C)2020「嘘八百 京町ロワイヤル」製作委員会

さえない目利き古物商・小池則夫と、くすぶったままの腕利き陶芸家・野田佐輔。ある日、2人は「だまし取られた父の形見の器を探している」と話す京美人と出会う。その器は、千利休の弟子で「天下一」と称された古田織部の幻の茶器【はたかけ】だった。京美人の思いにほだされ、人助けに乗り出した2人は、悪徳古美術商や国家機関を相手取り、嘘八百の大勝負を仕掛ける。監督・武正晴 脚本・今井雅子、足立紳 出演・中井貴一、佐々木蔵之介、広末涼子、友近、森川葵、山田裕貴、坂田利夫、前野朋哉、木下ほうか、塚地武雅、竜雷太、加藤雅也 1月31日(金)全国ロードショー

(文 泊貴洋、写真 藤本和史)

MONO TRENDY連載記事一覧
注目記事
MONO TRENDY連載記事一覧