営業は嫌だった彼女 3社目ベンチャーで見つけた魅力ベンチャー企業に転職しました(2)

「営業の手法で人材や保険業界と大きく違うと感じたのは、そもそもサービスを使う価値を顧客に気づいてもらうことから始める必要がある、ということです。例えば、社内の人材が不足すれば求人広告を出すことは当たり前。一方、名刺管理サービスは少し前まで、どのようなメリットがあるのか、企業価値向上に貢献するのか、全く知られていない状態でした。名刺管理の価値は理解されておらず、そのために予算をとっている会社は皆無でした。顧客に『気づき』のきっかけを提供することで私たちの商品を必要だと感じ発注してもらう、という積み重ねが今の私のやりがいです。当初、営業以外の仕事を希望して入社しましたが、『今まで世の中になかったものを自分たちは創っている』という満足感を得ることができ、今は営業の仕事が楽しくて仕方ないです」

――転職希望者の面接を担当することもあるそうですね。

「当社の場合、自分が何をしたいか、どうしたいか、を常に問われ続けるので、主体性がないと入社してからもきついと思います。最近は、知名度が上がり企業規模も大きくなってきたので安定性を求めて応募してくる人も増えましたが、組織、事業内容、業界をとりまく環境など、大手企業と比べて変化の大きい会社ですので、安定志向の人には向いていないのではないでしょうか」

「生真面目な人、完璧主義の人にもおすすめできないと思います。ベンチャーでは、今まで経験したことがない仕事に向き合うことが多く、常に自分の限界を越える仕事が降りかかってきます。そういうとき『やったことがないからできない』と失敗を恐れるのではなく『失敗してもいいからチャレンジしてみよう』という思考の人であればベンチャーの環境を楽しめると思います」

人事部からひとこと

人事部 中途採用グループ 木下真由子さん

当社は組織拡大に合わせて中途採用を増やしており、中途採用数は年々倍増しています。2016年に中途採用していたポジションは20足らずでしたが、現在は約60で3倍に増えました。19年末時点の社員数は約600人。3年前と比べて約2倍の大きさの組織に拡大し、特に営業担当者と開発エンジニアは恒常的に人が足りません。

採用で重視しているのは「出会いからイノベーションを生み出す」という会社のミッションへの共感や、「仕事に向き合い、仕事を楽しむ」「強みを活(い)かし、成果を出す」「感謝と感激を大切にする」など、プロとして働くための意識を当社独自に表現した5つのバリューを体現できる人であるかどうかです。過去の経験などを基に、判断しています。人事としては採用数を気にかけがちですが、数合わせではなく、「この人を採用したら事業は成長できるか」「組織を強くできるか」といった基準を重視しています。

採用手法で強化しているのは、社員の紹介・推薦による「リファラル採用」です。採用数自体は人材紹介会社経由が多いですが、リファラル採用は内定承諾率が高くコストを抑えられることがメリットです。在籍する社員からの情報で当社のことをある程度理解してから入社するため、人材のミスマッチが少ないという点も魅力です。

Sansan(サンサン)
2007年設立、19年6月東証マザーズ上場。従業員数約600人、2019年5月期の連結売上高は約102億円。法人向けクラウド名刺管理サービスが主力商品で、売上高の9割強を占める。

(日経キャリアNET編集チーム 町田真寿)

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