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異色のダブルシェフ 個性かけあうイタリアンの魅力

ゴルゴンゾーラを使ったイタリアの定番パスタ料理に和食材を合わせた一品。「SALONE2007(サローネドゥエミッレセッテ)」のシェフ、弓削啓太さんがイタリアのパスタ料理大会で優勝した料理だ。昨秋コース料理の一品として出されたが、今後も年に1度はコースに組み入れる予定
ゴルゴンゾーラを使ったイタリアの定番パスタ料理に和食材を合わせた一品。「SALONE2007(サローネドゥエミッレセッテ)」のシェフ、弓削啓太さんがイタリアのパスタ料理大会で優勝した料理だ。昨秋コース料理の一品として出されたが、今後も年に1度はコースに組み入れる予定

地球と宇宙をイメージしたという、有田焼の窯元が特別に作った美しい青に彩られた器。盛られた料理に添えられているのはハチミツを思わせる甘味のあるミリンだ。どんな懐石料理の一品かと思われそうだが、これは横浜市のイタリアンレストラン「SALONE2007(サローネドゥエミッレセッテ)」のシェフ、弓削啓太さんが生み出した一品。

昨年、イタリアの食品会社バリラが主催する「パスタ・ワールド・チャンピオンシップ2019」にて彼を見事優勝に導いた料理だ。ゴルゴンゾーラを用いたイタリアの伝統的パスタ料理「ペンネ・ゴルゴンゾーラ」にノリ、サンショウなど和の素材を加え独自の世界を築き上げた。同レストランは、昼夜共、月替わりのコース1本で勝負するが、11月にはディナーコースに同メニューが特別に組み込まれ、海外からの来客も、舌鼓を打ったという。

「SALONE2007」店内。ゆったりとしたぜいたくな空間だ。ランチ、ディナー共にコース1種類の提供で、ランチ5000円、ディナー1万2000円(いずれも税・サービス料別)。ランチコースにはディナーと共通のメニューも

イタリア料理を極めてきた結果と思いきや、実は料理と同じぐらい弓削さんの経歴もユニークだ。高校時代はサードを守る甲子園球児。卒業後は、英語を学ぼうとワーキングホリデーで訪れたカナダで、生活のためにイタリアンレストランで皿洗いのアルバイトを始めた。レストランで働くのは初めてで何もかも新鮮、皿洗いでさえ楽しいと思ったという。

「言葉は分からないけど、教えられたことをしっかりこなしていたら、料理長にそんなに動きがいいなら料理学校に行ってみたらと言われた」(弓削さん)ことが、料理人となるきっかけ。どんな動きをしていたのだろうと聞くと、「ただ与えられた仕事を自分なりに完璧にこなしていただけ」と言う。「例えば洗い物が流しに山積みになる前に自ら取りに行き、これを洗っていいかと聞いていました。まだ英語がつたなくそんなことしか聞けなかったので、とにかくしゃべりたいという気持ちもあったんです」

1月のコースの最初の一品「A5サーロインのスピエディーノ」。スピエディーノとは串焼きのこと。白トリュフ風味のジャガイモを巻いた薄切り肉は、口の中で脂がさっと溶ける
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