ただ、苦しくなるくらい力を入れる必要はありません。大事なのは常に適度に入った力を保つことです。まず最初にその感覚を覚えてください。

その感覚を覚えるには、腹式呼吸をしてみましょう。鼻からゆっくり息を吸い、その時に徐々におなかの中に空気を入れていくイメージを持ちます。おなかに手を当てて、膨らむのを意識しましょう。限界まで膨らんだら口から息を「スーッ」と静かに、吐き出します。今度はおなかが引っ込んでいくイメージです。限界まで吐き出すと、おなかが固くなっていますね。その感覚でおなかに力を入れ、上体をすっと伸ばします。これを日常的に保つようにすると、体形にも効き目があります。それに何だか気持ちも新たになりませんでしょうか。

その2.「立つだけダイエット」

2つめは立ち方です。まず、できるだけ立つようにしましょう。立食パーティーなどを見ても、どかっと座り込んでいる人、立って談笑している人では、「できる感」がまったく違います。いつも座れるところを探しているようでは、気持ちも身体もだんだんとゆるんでしまいます。そして立つときはまっすぐ立つことにトライします。まっすぐ立つだけで良い運動になります。

下から順番にいくと、つま先は心持ち開いて、かかとを合わせます。ヒザをまっすぐ伸ばします。ふだんのヒザは伸ばし方がどうしても甘くなっていますが、無理してぐっと伸ばします。ヒザのお皿が引っ込むくらいの伸ばし方です。

まっすぐ立つだけで良い運動になる(写真はイメージ)=PIXTA

ここで、足のどこらへんに重心がかかっているかをチェックしてみましょう。外側にかかっていませんか? 外側に重心が逃げてしまっている人は多いのです。

もともと重心は、足の中心部から内側寄りにある「内側重心」であるべきなのです。それを何かの拍子で外に逃がすことがクセになると、O脚になったり、太ももやふくらはぎが外側に張り出したような体形になったりすることがあります。これが「太っている」印象を作り出している人も少なくありません。今からでも「内側重心」を意識してください。これでO脚がかなり直った方もいらっしゃいます。

次に骨盤を立てます。いきなり「骨盤を立てる」と言われても、現状ご自分の骨盤がどうなっているかはわからないと思います。姿勢が良くない人は、だいたい斜めに倒れているので、それを地面に垂直にするイメージです。お尻の筋肉に力を入れてお尻の穴を引き締めると、その状態に近くなります。

もう、ここまでで、キツく感じる人は多いはずです。もう少し我慢して、先ほどの腹部に軽く力が入った状態でおなかを少し引っ込めます。

背筋を伸ばします。そして首をまっすぐにしてアゴを引きます。「頭のてっぺんを天井から糸でつりさげられているように立つ」と言う言葉を聞いたことはありませんか。そのイメージはとても役に立ちます。

これで肩甲骨を軽く寄せて立ちます。こういう姿勢をしていただくと「無理! 無理です!」と叫ぶ人はよくいます。でも、何秒かしたら意外に慣れてきます。オフィスやご自宅でこれを数分、数回、やっていただけますと、身体も気持ちも引き締まります。この「立つだけダイエット」は少々大げさに思えるかもしれませんが、特別意識しないでもできるようにだんだんと習慣にしてしまえば、体形維持に役立ちます。

THE NIKKEI MAGAZINE 4月誕生!

Men's Fashionはこの4月、あらゆるビジネスパーソンに上質なライフスタイルを提案するメディア「THE NIKKEI MAGAZINE」に生まれ変わります。限定イベントなどを提供する会員組織「THE NIKKEI MAGAZINE CLUB」も発足します。先行登録はこちら

次のページ
その3.「正しくきれいに歩く」は最高のワークアウト