『10万円でできるかな』 キスマイがTVで体張り検証
「10万円分宝くじを買ったら元が取れるか」など、"10万円"をフックに何ができるかをKis-My-Ft2(キスマイ)が体を張って挑戦するバラエティー。2017年10月から深夜で放送が始まり、19年4月からゴールデンタイムに昇格した。
テレビ朝日では12年の『濱キス』以降、企画と番組名を変えながらキスマイのレギュラー番組が続いてきた。「今回は誰もが気になる"お金"を入り口にしたことで、より視聴者の興味を引けたのでは」と、プロデューサーの米川宝氏は話す。「この番組では"一攫千金を狙う"という夢の部分が基本線にありつつ、明日にでも試せるお得な情報をできるだけ盛り込むようにしています」
最近では「1000円ガチャで何が当たるか」や、「不要品を売ったらいくらになるか」など企画の幅を広げている。現在軸になっているのは、当せん金で観光やご当地グルメを楽しむ「スクラッチ宝くじ旅」や、食べ放題でいくら得できるかを競う対決企画。スクラッチに関しては、絵柄の配置から当たりを予想する"法則王子"として宮田俊哉がキャラクターを確立し、ペアになった藤ヶ谷太輔が「先生」と呼んで所作をマネするなど、微笑ましい展開があった。食べ放題企画には、過去10回すべてに横尾渉が参戦しており、5キロ太ったことを告白。北山宏光とのペアが多く、北山はすぐにお腹いっぱいになって寝てしまうというくだりも。「メンバーのキャラが生きています。玉森裕太さんは素直で、どの企画にもハマる。少食なんですが食べ放題にも挑戦してくれました。二階堂高嗣さんは実直で、モノを作るとか、修理する作業が得意。千賀健永さんは、メルカリに出品するときの商品説明を『ポエムにしたい』と言い出すような変化球の人です(笑)」(米川氏、以下同)
米川氏が制作に加わったのは18年夏からだが、11年のデビュー当時から関わるスタッフがいて、確固たる信頼関係があるという。リスペクトがありつつ「楽はさせない」のがこの番組のこだわりだ。「3ケタの数字をマークシートで埋めるナンバーズを500口その場で書いてもらうとか、大量の懸賞ハガキ書きを本当に宿題にするんです(笑)。でもキスマイは放送の尺にならないところも全力でやる」
視聴率は10%以上を取ることが多く好調。ロケ中、子どもに「宝くじの番組だ」と声をかけられることも多くなった。「深夜時代にはなかったこと。ゴールデン番組ってこういうことなんだと、スタッフ一同覚悟を決めました」
(日経エンタテインメント!1月号の記事を再構成 文/内藤悦子)
[日経MJ2020年1月17日付]
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