なぜ40~50代に2つの谷 ミドルのキャリア停滞感

日経ARIA

2020/1/23

活躍度が下がる第一の谷は40代半ば 理由は?

石山さん 第一の谷は40代半ば。これは「キャリア停滞の分かれ道」にあたります。

多くの日本企業では未経験者を新卒採用し、異動や転勤を通じてさまざまなキャリアを経験させ、折に触れ一斉研修を行って同期を競わせながら、長い期間をかけてゼネラリストを育てていくようなマネジメントをしてきました。働く側とすれば、長期間にわたってさまざまな経験を積むことで、スキルが身につき、少しずつ昇進もかなうので、成長感もあり、とにかく与えられた目の前の仕事に精いっぱい取り組んで成果を出すことに集中していれば良かったわけです。

ところが、40代に入った頃から環境が激変していきます。ふと見回すと、同期トップとの間には無視できないほどの差が生まれている。会社が右肩上がりに成長する時代は終わり、管理職ポストは増えず、これ以上の昇進のチャンスは見込めそうにない……。そこで、はっきりと「キャリア停滞の分かれ道」を実感するのです。

小林さん 以前はこうした「出世競争」は男性正社員だけのものでしたが、男女雇用機会均等法以降は、多くの女性たちがさまざまな面で不利な状況に見舞われながらも、男性と同じ「長いマラソンレース」を駆け抜け、今、40代、50代を迎えています。

同期全員横並びで20年近く競わせる「長い育成期間」が終わった40代以降、昇進のはしご、成長のはしごが見えなくなると、嫌でも「終わり」を意識させられます。調査でも45.5歳で「キャリアの終わりを意識する」人の割合が逆転することが分かりました。

出典:パーソル総合研究所「働く1万人の成長・就業実態調査(2017)」

終わりを意識し、「会社人生こんなはずじゃなかった」とモチベーションが低下するのが第一の谷の40代半ばというわけなのです。

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50代に陥る最大の「キャリアの谷」とは?