「簡単に手放す前に吟味して、甦らせたいモノを見極めて」

――女性客も増えていると聞きました。

内本「男性同様のリフォームはもちろんですが、女性の場合でもオンリーワンを求める人が多いですね。着物をドレスにしたり、昔の毛足が長い毛皮のコートからファーバッグをつくったり。自分だけの1つがほしいという方はそのアイテムに思い入れがある様子で、どうしても、という方が多いなと感じます。また、リフォーム店といっても、ご要望があって値段が合えばフルオーダーで服を仕立てることもできます」

ワンピースの身幅を詰めるだけでスタイルにメリハリが出る

――男性と女性でオーダーの方向性に違いはありますか。

内本「男性はかっこよく、今っぽくしたいと言いますが、若くみえるようにしたい、という人はいません。女性の場合は必ず、若くみせたい、きれいにみせたい、そこに意識が向かいます。当然ですよね。私は女性に『サイズ感のトリックをあやつって、ボディーメーキングをしましょう』とすすめています。明日までに3キロやせることは無理でも、サイズを調整することで、プロポーションを美しく表現することができます」

石津「男性のジャケットの着丈は全体のバランスをみるうえでとても大事です。それにあたるのが女性のスカート丈かもしれない。脚がどう見えるか変わってきますから。僕はパンツは消耗品だと思っています。ポケットに財布を入れたり車に乗って擦り切れたりと傷みが早いので、直しはクイックな修理屋さんで済ませる。でもジャケットは一生もの。70~80年代のブランド品などは本当に上質の素材を使っているんです。簡単に手放す前にもう一度吟味して、甦らせたいモノを見極めてほしいですね」

大きな鏡に全身を映してバランスをみることも大切だ

――クラシックなものが新鮮に映る時代ですものね。こちらのお店のようにスペースがあると、リフォームの相談もしやすく、長居をしてしまいそうです。

内本「広くしないと全体のバランスが絶対に分かりませんから。洋服好きのお客さまが多いので、毎日服のお話ができて、こちらも楽しいです」

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

石津祥介
服飾評論家。1935年岡山市生まれ。明治大学文学部中退、桑沢デザイン研究所卒。婦人画報社「メンズクラブ」編集部を経て、60年ヴァンヂャケット入社、主に企画・宣伝部と役員兼務。石津事務所代表として、アパレルブランディングや、衣・食・住に伴う企画ディレクション業務を行う。VAN創業者、石津謙介氏の長男。

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