ナポリでも別格オーダースーツ 「パニコ」のこだわり

MEN’S EX

2020/1/26
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ナポリ有数の仕立屋であるパニコは、イタリアのクラシックなドレスシーンに精通する服飾評論家の池田哲也さんが、個人的に溺愛するサルトリア。なぜそこまで惚れ込んだのか、本人に理由を語っていただいた。

池田哲也
1968年生まれ。三越へ入社し、ローマ支局での勤務を経験。帰国後に服飾評論家として活動を開始する。森下のナポリピッツァの名店「ベッラ ナポリ」のオーナーシェフでもある。

こちらは池田さんが初めてアントニオ氏に仕立ててもらったドーメル125周年生地のスーツ。適度なラペル幅でVゾーンは深め、そしてややゆったりしたシルエットと、時代を超えて着用できる普遍的なナポリスーツといった佇まいだ。「どこか大らかな雰囲気があるのもこのスーツの気に入っているところ」。なお現在パニコのスーツは伊勢丹新宿店で購入可能。 95万円~〈オーダー価格、納期4ヶ月~〉(伊勢丹新宿店)

アントニオ・パニコ(注1)と初めて会ったのは、僕が1992年に百貨店の現地駐在バイヤーとしてイタリアに渡ったときです。ロンドンハウス(2)の伝説的なヘッドカッターが開いた仕立て工房があると聞き、俄然興味を感じたんです。その頃の僕には彼のスーツを買うお金はありませんでしたが、やり手のバイヤーに見えるよう少し金持ち風を吹かせて会った(笑)。するとなぜか彼は僕を気に入ったようで、制作風景を見学させ、食事までご馳走してくれました。

以後も赴任中はずっと親しくさせていただきましたが、実際に彼のスーツを買ったのは、会社を辞め服飾評論家として歩み始めた’96 年ぐらいです。生地はドーメル創業125周年記念(3)のスペシャルなもの。「お前はこの生地で作るしかないだろ」とアントニオに勝手に決められてしまいました(笑)。じつは彼はこの生地に惚れ込み、数十着分ぐらい在庫を持っていたんですね。

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