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日本人だけ大好き、コーンスープの謎 欧米では影薄く

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この季節、自動販売機のコーンスープ缶を見るとついつい買ってしまい、冷たい手を温めながら飲むという人も多いかもしれない。このコーンスープ、実は欧米ではかなりマイナーな存在であることはご存じだろうか。また、コーンスープとコーンポタージュはどう違う? 缶の中のコーンの粒を残さず飲むには? など、かねがね疑問に思ってきた人もいるだろう。今回はこうした謎に迫ってみる。

日本人ほどコーンスープが好きな国民はいないのではないだろうか。スーパーやコンビニで見かけるコーンスープはとにかく種類が充実している。自動販売機でおなじみの缶入りはもちろん、お湯を注ぐだけでできる粉末箱入りやカップ入りのものもあれば牛乳のように紙パックに入ったものもある。手作りする人のために缶詰のコーンクリームもある。みそ汁には缶入りや紙パック入りがないのに、である。

コーンスープは「洋食」なので、欧米から来たものだと予想されるが、実は欧米ではほとんど見かけないという。駐在員の妻としてニューヨークとロンドンに住んだ経験のある友人によれば「英国、米国どちらのスーパーでもコーンスープの缶や粉末はほとんど見かけませんでしたね。飲食店でもメニューに載っているのを見た記憶はないです。米国のカジュアルな店ではベーコンやタマネギも一緒に入った『コーンチャウダー』がありますが、日本のコーンスープとはまた別物ですよね」とのこと。

ポップアート・アーティストのアンディ・ウォーホルの絵に描かれていることで有名な、米国で人気の缶スープメーカー、キャンベル・スープでも一応コーンスープを扱ってはいる。が、あくまでもたくさん種類があるうちの一つで、米国人に人気なのはクラムチャウダーやトマトスープなど。

例のウォーホル作品には「クラムチャウダー」「チキンヌードル」「オニオン」など種類の違う32個のスープ缶が描かれているが、その中に「コーンスープ」はない。そのくらい存在感がないらしい。

日本以外の国ではコーンスープはメジャーな存在ではないのか。「じっくりコトコト 濃厚コーンポタージュ」「じっくりコトコト とろ~りコーン」など粉末箱入りや缶のコーンスープを製造・販売するポッカサッポロフード&ビバレッジの広報に聞いてみると、「本当です。コーンスープは海外では一般的ではありません」との返事。

おお、やはり。では、コーンスープはどこから来たのか。コロッケやグラタンなど日本の洋食の多くはフランス料理にルーツがある。そういえば「コーンポタージュ」という呼び方もある。ポタージュはフランス語だし、フランスがルーツでは?

その道のプロや専門家が信頼性の高い情報を提供する総合情報サイト「オールアバウト」でフレンチ(フランス料理)のガイドを務める嶋啓祐さんに聞いてみた。すると、「フランスでは、この季節(冬)はカボチャやカキ、カリフラワー、秋はシャンピニオン(キノコ)やシャテーニュ(栗)、春はホワイトアスパラなど、季節性のある食材をよくポタージュにします。でも、コーンのポタージュはフランスではあまり聞かないですね」とのこと。

トウモロコシが採れる夏の季節はグリーンアスパラのポタージュが一般的だとか。

ちなみに「ポタージュ」はフランス語でスープ全般のことを指し、野菜を裏ごししたり小麦粉をバターで炒めたものを入れたりしてとろみをつけたものを「ポタージュ・リエ」、澄んだものは「ポタージュ・クレール」と呼ぶ。つまり、「ポタージュ=スープ」なので、「コーンスープ」も「コーンポタージュ」も同じ意味である。

前出のポッカサッポロフード&ビバレッジでも「スープ」「ポタージュ」と両方の名前がつく商品があるが、その違いについては「特にルールはありません」とのこと。

話を元に戻そう。開国後の日本では西洋の要人を招いての晩餐会(ばんさんかい)が行われ、その公式料理としてフランス料理が採用された。こうして日本に入ってきたフランス料理の「ポタージュ・リエ」の技法を使ってコーンスープ、コーンポタージュが作られ、一般的な料理として広まったのではないだろうか。

それにしても、欧米ではあまり見かけない、キャンベル缶にラインアップされていても不人気というのはどうしたわけだろうか。

前出の嶋さんは「フランスやイギリスでは、トウモロコシは飼料として作られる方が多く、穀物というイメージが強いのかもしれません」と予想する。米国のトウモロコシの生産事情も同様で、大部分が飼料用とバイオエタノールの原材料だ。日本人はトウモロコシは「野菜」と認識しているが、欧米人は「穀物」と認識している人も多いという。

英語の「corn」は「主たる穀物」の意味であり、ヨーロッパの一部の地域でコーンといえばコムギなどのほかの穀物を意味していたとも聞く。厳密にトウモロコシを指す英語は「maize」であるが、それは学名の「Zea maize」からきているようだ。なので、「コーンスープ」と聞いて日本人が「野菜スープのバリエーションの一つ」とイメージするのに対して、欧米では「生きていくのに必要なカロリーを下支えする穀物のスープ」というイメージを抱くのかもしれない。

さて、缶入りコーンスープを飲むときにコーンの粒が缶から全部出て来なくてイライラした経験は誰にでもあるのでは? よく振って飲むものの必ず2粒くらいは缶の中に残ってしまう。家にいるときなら缶の中身をマグカップに空け、それでも残った粒は牛乳を流し込んでよく振って出すというワザを使う。だが、缶のスープを飲むときにはたいてい外である。

粒を残さずに缶入りコーンスープを飲む裏ワザをポッカサッポロフード&ビバレッジに聞いてみると「缶を45度に傾けて、ときどき缶を回しながら飲むと残りにくくなります」とのこと。

私もお勧めされた通りの飲み方で実験してみた。まず、いきなり45度の角度をつけて飲もうとするとスープがドバッと出てくるので要注意。あくまでも残り少なくなってきてから45度の角度をつけること。このやり方で粒を残さずに飲むことができた。

また、粒が残りにくいような構造の缶を採用しているという。コーヒーやジュースに使われる缶では飲み口の部分に粒が引っかかってしまう。これを粒が口の中にジャンプするような「へこみ」をつけているものだとか。

最後にコーンスープの斬新なアレンジメニューを紹介しよう。昨年秋、ポッカサッポロフード&ビバレッジとロッテのコラボレーションで斬新なアレンジメニューが誕生し、ネット民の間で「攻めてる!」と話題になった。

それは「じっくりコトコトこんがりパンコーンポタージュ」にあの「雪見だいふく」(アイスクリーム入りのもち)を入れるというもの!

「スープ+もち」の組み合わせは「雑煮」みたいなものだが、中にアイスクリームが入っているのは若干違和感がある。しかし、雑煮にあんこ入りのもちをみそ味仕立てのスープに入れる地域もあるし、「スープ+甘いもち」もアリか? 

恐る恐る食べてみたら、コーンスープがよりクリーミーになっている! 勇気がある人はお試しあれ!

(ライター 柏木珠希)

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